【札幌爆発事故】原因となったアパマンの消臭スプレー。120本廃棄はなぜ?問題は賃貸の仲介業者の利益構造にある

どうも不動産職人です。

 

札幌の爆発事故は、最初ガス管の劣化?などテレビで色々と憶測がありましたが、不動産仲介会社が室内で消臭スプレーを一斉に放出している中で湯沸かし器を付けたことが原因だったようです。

私も以前賃貸にいたので、消臭スプレーの存在は知っておりましたが、私のいた大手A社では、室内消毒は1万5千円で一応業者に依頼してやっていました。

でも、今一緒に働いているアパマンの元従業員の話では、消臭スプレーを持って行って自分でやっていたとのことでした。

当然、忙しい時は未施工でそのまま引渡しすることも多かったとか。

今回の事件は、まあ、アホやなあという言葉しか出てきませんが、藪から蛇でこの未施工問題が大きく取り上げられることになりました。

ここには、不動産賃貸仲介業者の利益構造の問題を浮き彫りにしたと言えます。

仲介手数料だけでは儲からない

私が賃貸仲介をやめた理由のひとつに、「賃貸は今後儲からない」と思ったことがあります。
賃貸物件を借りた時に、借主は仲介会社に仲介手数料を支払います。
 
仲介会社がもらえる仲介手数料は、借主、貸主の双方から合計で家賃の1.08か月分で、基本的にはそれぞれから0.54か月分もらうということになっています。
 

<宅地建物取引業法> 第46条 (報酬)宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。  2宅地建物取引業者は、前項の額をこえて報酬を受けてはならない。  3国土交通大臣は、第一項の報酬の額を定めたときは、これを告示しなければならない。  4宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、第一項の規定により国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示しなければならない。  <国土交通省告示 第172号> 第4 賃貸の媒介に関する報酬の額 宅地建物取引業者が宅地又は建物の賃借の媒介に関して依頼者の双方から受けることの出来る報酬の額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)の合計額は、当該宅地又は建物の借賃(当該賃借に係る消費税等相当額を含まないものとし、当該媒介が資料貸借に係るものである場合においては当該宅地又は建物の通常借賃をいう。以下同じ。)の1か月分の1.08に相当する金額以内とする。この場合において、居住の用に供する建物も賃貸借の媒介に関して依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当って当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の1ヶ月の0.54倍に相当する金額以内とする。

そのため、仲介業者によっては、借主から家賃の1.08か月もらうこともありますし、仲介手数料無料と言っているようなところは貸主から1.08か月もらっているということになります。
 
例えば単身の2~3万円の価格帯だと、人ひとりが半日ほど応対して報酬が2~3万円、その後審査や家主とのやり取りを考えると割にあいません。
 
これでは儲からないので、貸主から仲介手数料とは別に広告料なるものをもらっています。
 
この広告料は超グレーなのですが、エリアによっては、家賃の1か月~6か月分の広告料が設定されているケースも。
 
新築などの人気物件の場合は、広告料も低めですが、築年数が古い、場所が悪いといった物件だと高額の広告料を支払わないと客付けしてもらえないわけです。
 
とは言え、それでも家賃が安い物件では、1件応対して10万円ももらえない…
 
契約件数の多い店なら儲かるでしょうが、そうでもない店だとまず赤字です。
 
そこで、仲介業者が考えたのが、付帯商品やリフォームで利益を上げることだったんですね。

 

 

付帯商品の儲けはどのくらい?

付帯商品には、今回問題になった消臭スプレー(消毒)を初め、鍵交換、火災保険、簡易消火器具、インターネットのプロバイダー取次などがありますが、消臭スプレー以外にも部屋に関する付帯商品は多く、排水管洗浄や壁紙への光触媒加工、風呂の防カビなど色々とあります。

こういった付帯商品は、利益がたっぷり乗っており、今回の消臭スプレー「ヘヤシュ」は、原価1000円のところ、施工代ということで9000円の利益。

アパマンはフランチャイズなので、売値は店によって違い、1.5万で売っている店もあったとか。

仲介業者の利益構造は?

実は、こういった付帯商品の売り上げが今の仲介業者の経営を支えているのです。

仲介業者の数が増えたことで、仲介手数料だけの売上だけでは正直食べていける業者はほとんどありません。

そのため、こういった付帯商品の販売や管理物件のリフォームで利益を出すしかないわけです。

付帯商品の利益率は、商品価格の30%~90%程度に設定されており、私がA社で仲介していた時もどれだけ付帯商品を売れるかで仕事の評価をされるほど。

会社としては、当然利益率の高い物を売ることは重要なので仕方ないですが、この内情を知っているので、私が部屋を借りる際は一切付けません(笑)

それともう一つの利益の柱はリフォーム。

今回ニュースになったアパマンを初め、大手仲介業者は管理物件の獲得に躍起になっています。

管理料をもらえる物件を増やすというのもひとつですが、おいしいのはリフォーム。

管理を任せてもらっていれば、ほとんどの貸主さんはその業者に原状回復のリフォームや大規模修繕を頼みます。

依頼された仲介業者は、自分とこのお抱えのリフォーム業者に発注し、実際の見積金額に10%~25%ほどの利益を乗せて貸主に見積もりを出します。

貸主も高いなーとは思いながら、全部任せているので仕方ないということでやってくれます。(たまに、合い見積もりを取る嫌な貸主もいますが

これらの利益が今の不動産仲介業者を支えている訳です。

なので、今回の事故はその裏側を暴露してしまったという意味では、業界に対いて大打撃だったんじゃないでしょうか。

自分でバルサン買ってやったら1000円くらいで済むわけですから…

これから仲介業界でいう繁忙期に入る訳ですが、お店の人たちは、

さんまの向上委員会のザブングル加藤のように

「おまえ、やってくれたのー」

と叫んでいると思いますよ。


 

 
 

 

 

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