AIを売りにした不動産業者の物件紹介が微妙?AIはあくまでツール、運営できるかどうか自分でシミュレーションして買うべし

不動産テック


どうも不動産職人です。

AIの導入で仕事がなくなるという話をよく聞きますが、銀行に導入するば、AIが業務の7割をカバーできるらしく、本当に単純作業はAIに取って代わる時代に来ましたね。

先日、不動産テックで先を行く業者さんと話をしていたのですが、ビッグデータがきちんとあれば、かなり高い精度で物件価格や賃料が瞬時に出て、データの多い都市部ではほとんど誤差がないですよ。ということでした。

私も物件の査定をさせてもらってますが、正直レインズの成約事例を見ながら、最近のそのエリアの状況などを加味して算出してます。手作業、職人の世界です。

これは多分AIに取って代わられるところで、実際にもうあるので後は導入するかどうかだけ。大手はこれからガンガン導入していくでしょうね。

とは言え、AIはあくまでツール。人間が味付けをして、その内容によって数値を出してくるものです。なので、味付けする人によって結果は変わります。

先日、知り合いのオーナーさんより、某AIを売りに営業活動している不動産テックの会社から物件の紹介があって買いたいのだがどうやろうという相談を受けました。

AIを売りにしている不動産業者が紹介してくれる物件は実は

人は結構コンピューターが出す答えは正しいと思ってしまいがちで、それがAIとなると何か凄いシステムが使われているんやから間違いないやろうと思ってしまいます。

しかし、AIは過去のデータなどある物を分析することは得意ですが、実際にそれを紹介しているのは人間です。私が見た資料では、家賃をAIで査定し、それを元に収益還元で価格を出しているのですが、どう見ても儲かりそうな物件ではありませんでした。

実質の利回りは…

メールで送ってきたのは、大阪市福島区の区分ワンルームマンション。

大阪で人気のエリアというと、北区、中央区、西区、最近ではインバウンド需要で浪速区なんかも人気です。それに加えて北区の隣、ウメキタ開発が進む福島区も人気が高まってきてます。

福島区は正直人気先行してかなり物件価格は上がっていますので、余程お宝物件じゃないと結構しんどい感じです。

それをAIを売りに営業活動しているマザーズ上場会社G社が紹介してきたようで再査定の依頼を受けました。

G社は、AIを活用した不動産投資で堅実な収益をなんて謳っており、管理や査定などをテクのロージーで行っています。

やっている内容は非常に良いと思いますが、私も一度ホームズのセミナーでこの会社のブースを訪れましたが、紹介してもらった物件は微妙な感じ。基本的には首都圏の中古マンションを扱ってますが、利回り低い…。確かに築10年程度ですが、板橋のワンルームが表面5%台で実質だと4%切る感じ。新築ワンルーム程は損しないでしょうが、商談ブースにいる人出口で損するやろうなと思ってみてました。。

そして、査定依頼を受けた物件も同じレベルの物件でした。

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大阪で中古区分マンションやるなら実質5%以上は欲しい

 先日も書きましたが、今大阪の区分ワンルームは表面利回りで7%ないと融資が中々つかない状況。

大阪の投資用築浅ワンルームがまったく動かない!表面利回り7%以上ないと融資がつかない?

表面利回り7%ということは、管理費・修繕積立金、賃貸の管理料、固定資産税を引いた実質の利回りは5%程度になります。 これで30年ほど融資が組めれば年間キャッシュフローが10万~20万といったところです。

実際にシミュレーションをしてみましょう

今回の物件は、物件価格1400万の築10年くらいの22㎡のワンルーム。賃料は6.5万です。(大阪の場合は基本バス・トイレ別です)

図面には引き直し資料が書いてあり、6.0万~6.5万。この辺はAIが出してくれているのでしょう。(と言っても5000円も差があると収支は全然ちゃうよ)

ただ、この会社がいいのは提携ローンで金利1.95%35年フルローンが組めること。この条件で組めるなら非常にありがたい。

どんな感じになるか少しシミュレーションしてみます。(空室率まで入れるとどうしようもない結果となるので今回はそこまでやってません)

【シミュレーション 金利1.95% 期間35年 借入1400万 賃料6.5万 管理費・修繕積立金1.5万/月 賃貸管理費月3000円 固定資産税6万】

年間収入  78万

運営費   28万 (ネット収入50万)
返済    55万

収支    -5万

このまま購入しても毎月4000円程度のマイナスです。マイナスが悪いわけではありませんが、収益性が悪いからマイナスになっている場合は資産は増えていかないので、敢えてやる必要はない投資と言えます。

ネット収入が50万÷1400万=3.57%

(正確な実質利回りを出すなら諸経費も含んだ方がより良い)

ただ、この程度ならまだ買っても大損しないなと思うかもしれませんが、AIがシミュレーションしているように家賃は下がります。

次出ていくと6.0万になるとすると同じ条件で、

年間収入  72万

運営費   28万 (ネット収入44万)

返済    55万

収支    -11万

収支は11万になり、実質利回りは、3.14%。東京の湾岸エリアかーいと突っ込みたくなります。

私の見立てでは、 将来的には5.5万くらいに下がるエリアだと思いますので、そうなると単純に表面利回り7%で売れるとして、

5.5万×12か月÷0.07%=942万

オーマイガット460万も物件価格が下がります。

購入時と同じ金額で売ろうと思うと表面利回り4.7%とタワマンクラスの利回りで売らないといけません。

という風にAIが良いと言っているからというセールストークは、節税対策や年金代わりというセールストークと何ら変わりません。

AIはあくまでツール、最後は自分で物件を分析して購入を決めよう

AIは、営業マンが入れた利回り(還元率)を使って調査し資料を作ってくれるだけで、その利回りが何%によってピックアップしてくる物件は変わります。

なので、AIはあくまでツールであって、正義の心を持って使わないといくらでも操作が可能だということです。

この辺りを理解した上で、最終的には自分で収支計算してみて、それでも良いと思えば買えばいいし、チョット不安があるなと思えば私のtwitterのDMに資料を送ってくれればいくらでもシミュレーションします!

ということで、いつも同じ締めになってしまいますが、不動産投資するなら最低でも自分でシミュレーションできる力をつけてください。

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