不動産業界で話題の「大東建託の内幕」を読んでみた。ほどんどカルト教団の世界


どうも不動産職人です。
 

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大東建託の内幕を読みましたが、ほとんどカルト教団の世界。

不動産業界の中でも屈指の劣悪な労働環境だということがこの本で分かります。 

まあ、不動産業界が大変だ、ブラックだと言われる要因のひとつに、歩合報酬による給与体系があります。

これまで色々と書いてきた三為業者なんかは、特に歩合の度合いが強く、フルコミッションで売り上げの20%以上~を受け取るプレイヤーも。

一回の取引で数千万円売上を上げると一回の取引で報酬は、数百万。

そりゃ、顧客をだまくらかして売り上げを上げようとするやからは出ますよね。

ここ数年の不動産ブームはそんなやからに拍車をかけ、スマートデイズのシェアハウス問題など、そういった不動産業者の被害者となった方は非常に多いと思います。

今回の大東建託ですが、自殺者や犯罪者まで出しており、上場企業でここまでひどいのは本当か?と思いますが、他にもレオパレスなど、サブリースでアパートを建てまくった会社の多くは、同様の経営体制です。

そして、会社は多大な利益を上げ、役員は報酬をがっぽりもらっているのに、歩合をたくさんもらっている社員は実は借金まみれ。

ほとんどフィクションの世界?と思うような出来事もあり、大東建託という会社を理解する上で、一読の価値はあるかなと思います。

 

 

 

自殺者を出す、過酷な上司による追い込み、建替えで借金苦

大東建託は、求人サイトを見ると万年募集している会社。

基本給もそこそこもらえ、かなりの歩合給。特に年齢の高い人なんかは再就職に困ったら最後は大東というような感じです。

まあ、不動産業界にいたら、大東建託に入ろうという人はまずいませんが…

大東建託では、アパートを建てる契約を取ってくる営業が一番大変なのですが、朝から担当エリアに行って飛び込み営業、脈有れば何度も訪問し、顧客になるまでしつこく営業することで知られています。

私も細かいところまでは知りませんでしたが、大東では、契約ノルマとプロセスノルマがあります。

プロセスノルマには、「立地審査」「家賃審査」「プラン提示」、契約ノルマには「最終実績」があるようですね。

毎月ノルマが決められており、その達成のために上司からガンガン激が飛び、耐えられない人はすぐに辞めますが、家族があるとすぐには辞められず、ドンドン追い込まれます。

軍隊方式で上司には逆らえず、一日中詰めまくられ、GPSを持たされ位置確認される。

追い込まれた社員は何をするかというと、テンプラ契約という架空契約を行います。

仲の良いオーナーさんなどに、取り敢えず名前だけ貸してもらって架空の契約を立ちあげるのですが、当然架空なので建物は立ちません。

しかし、契約すると受注金として30万円くらい(契約によって変わる)必要になるので、そのお金を自費で建て替えることになります。

建物が完成すれば数百万~数千万の歩合が入るので、それで精算するというのが当たり前になっているようですが、ダメ社員は歩合も入ってこないので借金をして払うことに。

他にも、着工できなくなったり、プラン変更による建て替えなどもあり、それが積もり積もって、どうにもならずに自殺へ。中には、顧客をハンマーで殴打するなんて事件も。

カルト集団が使う「洗脳」の手法で、冷静に考えればおかしいと思うことも、社内では当たり前に行われ、みんなからお前はダメだと言われると冷静な判断をすることができなくなり、自分が悪いと思って楽になることを考えて善悪がわからなくなる。

オームが事件を起こしたのはこの心理ですが、大東建託でも同じなのではないかと思います。

私も再就職では苦労しましたが、高歩合の会社で働くには相当の覚悟がないとね。

 

 

 

一括借り上げで資産運用の行く末は

社員だけでなく、顧客にも不利益を与えている大東建託

まあ、投資向けに新築ワンルームや新築アパートをやっている大手は、ここ数年間でかなりの利益を上げています。

利益を上げているということは、企業努力もありますが、それだけ顧客から巻き上げているということでもあります。

大東建託は、アパートの建築とサブリースで利益を上げています。

アパート建築では、建築費の大体20%程度、サブリースで10~15%。

そして、サブリースでは、10年間の家賃保証も収益が上がらなければ家賃減額、最悪の場合は解除されることもあり、家主は損しても大東建託は損しない仕組み。

すべてが損するわけではありませんが、大東建託は建てれば儲かるので、サブリースでは多少損をしても良く、高い賃料プランで提案していることが多いです。

畑の真ん中にワンルームアパートを作らせたり、取り敢えず建てれそうなら提案しまくり、たまによく調べたら建てれないトラブルも。

後、投資家として収益物件ということで考えると、地主さんの場合、土地代を含まないといけないのですが、大東建託の場合は土地代を含まず、収支計算を行います。

そうすると何が起こるかというと、投資の利回りが変わるということです。

投資家がアパートを買う場合は、土地と建物を買いますので、利回りを収入÷コスト(土地と建物)で計算しますが、地主の場合は、コスト÷建物。

本来なら投資家の利回りで計算しないと市場の利回りとは合いません。

利回り10%以上で回りますよと言っても、市場では5%くらいにしかならないという場合もあります。

この辺りはアパートを建てる場合に注意しないといけません。

サブリースについては、詳しくは下記で書いてます。

fudousancom.hatenablog.com

大東建託の内幕は読むべき?

同じ不動産業界で働く一人として、私はかなり興味がありました。

作者の三宅さんは、かなり詳しく調査されており、大東建託の今を知る上では非常に良い本だと思います。

こんな会社が上場会社としてやっていていいのかと憤りを感じるほど。

今から大東建託に入るという人は絶対に見ておいた方が良いでしょう。

不動産業界のすべてがこういう会社ということではありませんが、こういった会社が多くあるのも事実。

不動産業界を知るという点でも良著と言えると思います。

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