どうも不動産職人です。
スルガ銀行のシャアハウス問題を発端に、スルガ銀行でこれまで行われてきた地方の一棟中古マンション投資向けへの融資が問題視されてします。
この地方一棟中古マンション投資向け融資は、三為業者がスルガ銀行を使って暴利をむさぼってきたスルガスキームの代表格。
この三為業者の代表格と言われている水〇の大家さんが大阪支店を閉鎖するようですね。(動画では三為業者は悪だと言っていましたが、回りから聞く噂は三為業者そのものでしたねえ)
スルガ銀行が使えないと三為業者は稼げない
不動産価格が上がっており、中々差益を抜くのが難しくなってきたこともあり、最近三為業者の経営は厳しいのではという話を業界内ではよく聞きます。
スルガスキームを使って荒稼ぎした三為業者ですが、今回のスルガ銀行の事件で窮地に追い込まれる会社も出てきそうです。
三為契約(第三者の為の契約)とは
不動産業者が大きく稼ぐ方法のひとつに三為契約があります。
三為契約自体が悪いわけではなく、問題はこのスキームを使って稼ぐ悪い奴らがいるということなんですねえ。
元々売主から一度中間省略をする不動産会社が買い取った形にしてエンドユーザーに転売する方法を中間省略と言っていましたが、平成16年の不動産登記法の改正により、中間省略登記ができなくなったため、従来できた「買取り仲介(買取り転売)」が簡単にできなくなりました。
そこで登場したのが、この第三者の為にする契約。”第三者の為にする契約”を結べば、合法的に中間省略登記を行っても良い事になっており、新・中間省略登記などと言われています。
この三為契約のスキームを使って、不動産の転売業者が荒稼ぎしてきたわけです。
では、三為契約のスキームがどんなスキームかと言うと、売主から三為業者が一度不動産を購入する契約を行い、最終の買主に利益を乗せた金額で転売して稼ぐ方法です。
三為業者から直接買うと仲介手数料は不要ですが、これが仲介業者を通じて買うと買主は仲介手数料を支払わないといけないから損だという人もいます。
確かに買主は仲介手数料を払わなくて良いわけですが、実際にはそれ以上の利益を三為業者は取っているということです。
又、知っている人は三為契約だというとそれだけで嫌がる人も多いですね。中には適正な価格で転売している業者もいますので、その辺りはやはり物件の良しあしを見抜く力はどうしても必要ですね。
スルガスキームとは
スルガスキームとは一体どういったスキームなのか。
これがなぜ地方の一棟中古マンションで行われたかというところですが、銀行の評価のうち積算評価という評価方法があり、土地と建物の価格を出して計算するのですが、鉄筋コンクリートのマンションはこの評価が出やすいのです。
これに加えてマンション一棟の収支状況を勘案して融資を行います。
ここで悪質な三為業者は何をするかというと
・収支の改ざん
・融資を受けるの売買契約書の作成
を行って融資を多く引き出させます。
収支の改ざん
やはり、空室が多いと収支悪くなります。ここで三為業者は、自社の社員を短期間高い家賃で住ませる、高い金額でサブリースするなどを行い、見せかけの収入を作ります。銀行は契約書さえきちんとそろっていれば特に調べませんので、審査は見せかけの収入で行われるわけです。
買主にこの事実が知らされていないケースもあり、購入後いきなり収入が激減してローンが返済できないということになり、最悪は自己破産となります。
融資を受けるの売買契約書の作成
不動産業界用語では、書き上げとも言われていますが、通常の契約書と融資を受ける為に銀行に提出用の契約書を2つ作成します。
銀行に提出用の契約書は当然高い金額を書きます。これは何故行われるかというと、銀行の多くは、フルローンは中々難しく、9割で1割は自己資金を出してくださいと言われます。スルガ銀行も多くは9割融資なのでフルローンを受ける為にこの書き上げが行われるわけです。
三為業者は、これにより自己資金が少ない買主にも物件を購入させることができるわけです。
他にも、買主の収入や預金通帳の改ざんなども行われています。
スルガ銀行が使えないとこのスキームは成り立たない
しかし、大半の金融機関はこういった地方の一棟中古マンションへの融資は行っておらず、地方銀行かスルガ銀行がほとんど。
スルガ銀行は、他がしない不動産への融資を独自の審査基準(ほとんど審査していないという噂)で行い、4.5%の高金利を取って収益を上げ続け、日本一給料が高い銀行ともてはやされました。
ところが今回のシェアハウス投資への融資が問題視され、金融庁が立ち入り検査したところ、地方の一棟中古マンション投資向け融資にも白羽の矢が立ったわけです。
さすがのスルガ銀行も金融庁の立ち入りもあり、当面は融資を絞らざる得ない。
となると三為業者は儲けられる物件を売ることができなくなるわけです。
倒産する三為業者も
これまで大きな利益を上げてきた三為業者ですが、これまでは事業は拡大傾向であったことから、会社規模を拡大しており、人件費などの固定費が増えています。
売買した利益で次の物件を売って稼ぐという業態なので、売買できなくなると資金繰りが厳しくなるはず。
今回の水〇の大家さんが大阪支店を閉鎖は、まだ体力があるうちに縮小するという感じの話でしたが、経営不振で倒産する三為業者も出てくるのではと思います。
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