どうも不動産職人です。
いよいよ来たなという感じでしょうか。
これまでも金融庁から何度か個人の不動産投資向け融資に対して注意勧告的なものはありましたが、今回のは過剰融資抑制と結構強い言葉を使っています。
この裏には、スルガ銀行やTATERUなどの不正融資の影響もありますが、地方銀行などサラリーマン大家さんなど個人の不動産投資向けに融資が偏っている傾向にあり、一度きちんと中身を点検しようかという感じのようですね。
リスクが顕在化する前に、芽を摘んでおきたいという金融庁の思惑があるようです。
銀行の審査体制を点検 し、特に個人向けは不良債権化を注視
日経新聞の記事では、
金融庁は地方銀行などを対象に投資用不動産向け融資の実態調査に乗り出す。超低金利や不動産市況の好転を背景に、賃貸用不動産の経営を始める会社員らが急増。返済能力を超えた過剰な融資をしていないか、銀行の審査体制を中心に検査・監督で厳しく点検し、行きすぎを防ぐ。不良債権予備軍が増えれば金融システムを揺るがしかねないと判断し、早期に手を打つ。近く公表する2018事務年度(18年7月~19年6月)の行政方針に具体的な方針を盛り込む。調査結果に基づいて立ち入り検査も実施する。
これを見ると2018事務年度で具体的な方針が出て、調査結果によっては立ち入り検査も実施されるということになります。
そうなるとどういうことが起こるのでしょうか。
不正融資や一法人一物件スキームにも白羽の矢が
行政方針の内容にもよりますが、金融庁がここ数年のサラリーマン大家が多く誕生した不動産投資ブームをかなり危険な状態に入っていると認識したことは非常に大きなことだと思います。
スルガスキームと言われる三為スキームや書き上げなどの2重契約書の作成などは、スルガ以外でも実際に行われており、不動産投資に強い銀行でもなければ内容を見抜くことはまず無理でしょう。
不動産業者が書類さえ揃えてくれば銀行は融資しているはずなので、実際に調査を行えばかなりの数の案件が浮かび上がってくるはずです。
そこで担保が足りないというような案件だと追加担保を入れろと言われる可能性も出てきます。
ただ、上手く運営がいっている物件は問題視されない可能性が高いと思いますが、不良債権化一歩手前の物件などは、一気に不良債権に持っていかれる可能性も。
又、一法人一物件スキームにより、複数の金融機関から物件を購入した人達も同様。
どこか一つでも運営が上手くいかない物件が出てくると知ってても黙っていた金融機関が、ここぞとばかりに一括返済を迫ることも考えられます。
日経新聞の記事では
銀行にとって業者は新規の顧客を紹介してくれる存在ともいえるが「悪用されるリスクもある」(金融庁幹部)。販売業者の説明をうのみにせずに、物件価格や家賃が実勢相場に照らして適正か、借り入れの希望額が過大でないか、銀行が主体的に確認しているかも調べる。
ここまでやるということがわかれば、今後、特に地方銀行を中心に融資の引き締めは進むのかなと思います。
これで不動産業者が挙げられるようなことがあれば、チョット大事になりそうですね。そうよんで廃業した水戸の大家さんはスゴイ?かもしれません。
まっとうにやっていれば、こういった事態になっても特に慌てることはないと思うのですが、イレギュラーな対応をしていると焦らないといけないことになります。
まあ、悪さした人達は、今の物件を上手く運営することを考え、ヤバそうならもう売却しちゃうというのもありかもしれませんね。
持ってるだけで毎日ビクビクしないといけないような不動産投資はやっぱりやってはいけないわけです。
この発表で不動産市況は冬の時代へ突入しそうです。(やめてくれ~)
【日経新聞元記事はこちら】www.nikkei.com
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