アナログな不動産業界にもAIの波が。AIで物件紹介、空室対策、投資分析ができる!

どうも不動産職人です。

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不動産業界は非常にアナログな世界で、大手は別ですが中小企業規模や町の不動産屋さんだと契約書はエクセルで自分で打ち込み、連絡はFAXなんてところもまだまだあります。

私の会社も例外ではなく、基本顧客管理なんかもエクセルデータを使っていたり、良くてアクセス使ってるといったのが現状。

物件と顧客データは連動せず、イチイチ自分で紐づけて話をしないといけないので、かなり手間暇が掛かります。

正直この辺りの業務改善がされるだけでも、人件費の削減や業務効率化が図れそうですが、経費何かは結構緩いのにこういったところにお金を掛けるのは渋ります。

まあ、それが今の不動産業界の現状といったところ。

しかし、そういった旧態依然の不動産業界を変えようという企業も増えてきており、IT化、AI活用が進みつつあります。

コンビニより多い不動産業者、お客さんにとってどうなの

不動産業者は何とコンビニの数より多いと言われています。

コンビニが約6万社に対して、不動産業者は倍の約12万社です。

まあ、裏を返せば誰でも簡単に参入することができて、そこそこ食える業界だということです。

では、何故不動産業者がそこそこ食えるのかについてお話していきます。

大手も町の不動産屋さんもやってることはそう変わらない

S不動産だM不動産だといった大手の不動産業者の中には、デベロッパーや商業開発など大きな仕事をしてますが、ちょっと乱暴ないい方しますと、それ以外でいうと基本的には物件を売る、買う、借りるに対してお手伝いする仲介業がメイン。

そのため、情報量が多い大手が確かに有利なのは間違いありませんが、町の不動産会社でも自分の周辺や他業者とのつながりで情報が回ってきます。

1憶円の物件の売買が成立すれば、300万少々の仲介手数料をもらえます。

1憶は中々厳しいかもしれませんが、数千万の取引ならそこそこありますので月1件くらい決めれば一人くらいなら十分食べれます。

不動産業界でIT化が進まない訳

例えば、物件を売ってほしいということで預かると、売却する為に資料を作ったり、物件の調査が必要になります。

宅建が必要な業務なのでそれなりに専門性の高さはあります。

しかし、こういった業務は大手なら相当な数がありますが、中小企業だと先ほどの例のように月1回売上すればという状況なので、それだけのためにわざわざシステムを導入して費用対効果が合う企業が正直少なく、それが不動産業界のIT化を妨げていると言えるでしょう。

他には、顔で商売をするというところがあり、表に情報が出る前に仲の良い不動産業者で話が決まってしまうということも多く、IT化では語れない、良い意味で人間商売といったところでしょうか。

IT化、AI化の波が不動産業界にも訪れた

そうはいっても、世間の流れには逆らえず、不動産業界にもIT化の波は訪れます。

皆さんもよく目にするところでいうと、スーモやホームズなどの不動産のポータルサイト、不動産投資家なら健美屋や楽待など。

賃貸はこれによって劇的に部屋探しが変わり、入居者のほとんどが直接店に行かずにネットで探す時代になり、町の不動産屋さんが賃貸一本で食べていくのはかなり厳しい状況に。

IT化はどんどん進み、賃貸ではVR内覧やIT重説が可能になりました。

売買も現在IT重説の運用が進んでおり、物件を見なくてもVR内覧し、IT重説を受ければ物件を購入することが可能です。

最近では、不動産業者のみが内覧し、部屋の状況をテレビ電話で実況しながら紹介する業者さんもいます。

我々不動産業者もコロナの影響もあり、ZOOMやTEAMSなどのWEB面談も多くなっています。

又、現在町の不動産屋さんの多くは、賃貸は手数料が安いので、売買と賃貸管理をメインにシフトしようとしています。

そして、これからはいよいよAIを使ったサービスの波が押し寄せてきています。

不動産とAIの相性は良い

不動産は、物件の売買であれば過去の売買事例や現在の市場価格、賃貸であれば家賃の相場や成約事例など情報が非常に多い業界です。

AIはその情報を分析する能力が非常に高いわけですから、情報の多い業界とはやはり相性が良いと思う訳です。

そこに目をつけた人たちが新しいサービスを武器に不動産業界を変え始めています。

物件のメールは自動返信、チャットで話している相手は実はAI

イタンジという不動産テックの先駆者的会社がありますが、ここのサービスにノマドクラウドというシステムがあり、現在賃貸仲介業者に導入が進んでいます。

ノマドクラウドシステムでは、問合せがきた物件の情報を元に、定期的に物件情報をそのお客さんに送る機能があります。

熱心に情報をくれるなと思っていたら、実はコンピューター君だったんですね。

こういった作業は追客といって、お客様を獲得する為に追っかける作業となる訳ですが、賃貸の場合だと同じ物件を複数の業者が紹介できるので、他社で決められてしまうことも多く、結構空振りに終わるのでちょっとしんどい業務のひとつ。

これを自動でやってくれるというのであれば本当に助かりますし、それを見て問合せしてくれれば顧客を獲得できるのでメリットも大。

オプションで、I(人工知能)でチャット返信が出来るサービスもあり、丁寧に対応してくれているなと思ったら実はAIだという訳ですね。

これは携帯会社なんかでも使っているサービスと同じかなと思います。

空室対策もAIの分析を活用する時代に
情報分析コンサルティングのライトブレイン(札幌市、芝哲也社長)が.人工知能(AI)とビッグデータを使って賃貸住宅の空室対策サービスを、26日から東京23区と札幌市で始めるとのことです。
これはエンドユーザーというよりは物件オーナー向け。
不動産投資で一番困るのはやはり空室。
収入が入ってこなくなるとローンの返済にも影響が出ますので、空室期間を短くすることは不動産投資においては最重要課題と言えます。
では、AIをどのように活用するのかというと、オーナーが持っている空室物件とその周辺の入居済み物件の条件を比較して、偏差値を割り出して改善点を割り出し、空室対策に活用しようということです。
専用サイトから会員登録し、各物件の情報を入力すると1件5000円で利用できます。
今後は、全国展開も視野に入れているということですが、空室に困る地方のオーナーさんには非常にありがたいサービスではないでしょうか。

収益・投資物件をAIで分析

リーウェイズ株式会社は、リーウェイズが開発・運営を行う不動産投資プラットフォーム「Gate.(ゲイト)」。
AIを使って市場に出ている物件の情報を分析し、物件の購入から売却までの保有期間の利回りの算出が瞬時にできる、賃料変動率や空室率などの多角的なデータをもとに、将来の不動産価値がどのように推移するのかなど、AIが客観的・視覚的に提示してくれるだけではなく、所有者が期待する利回りなどの条件を変更すれば、自身の現状に合わせたシミュレーションをしてくれます。
また、保有不動産を登録することができるので、不動産ポートフォリオの管理ツールとしても有効です。
個人として持つのは難しいかもしれませんが、大和ハウスグループの株式会社コスモスイニシアがカスタマイズした「VALUE AI(バリューアイ)」が、2018年2月22日(木)より提供開始となるなど、不動産業者や金融関連向けに導入が進んでいるようです。
これまで、自分で売買事例を調べたり、カンや経験で物件価格を決めていた不動産業者にとって脅威となることは間違いないですね。

他の業種同様、不動産業界もAIには出来ない何かを探す必要がある

やはり、大量の情報(ビッグデータ)を瞬時に分析するスピードについては、AIが今後は活躍の場を広げていくのは仕方ないかなと思います。
しかし、不動産の場合、先祖から引き継いだ土地であったり、相続が絡んでたり、権利関係が複雑であるなど、私情が絡む案件が多いのも事実。
これはAIでは判断できない(将来的にはこの辺りもできるようになる?)ことも多いので、その辺りはやはり人間の出番なのかなと思っています。
AIに仕事を取って代わられる時はもうすぐそこまで来ていると思うので、私も何が出来るのか、そのためにどんな知識や技術が必要なのか、考えながらやっていかないといけないなと思ってはいます。
便利になるのはいいですが、AIに支配されるなんて嫌な世の中ですねえ。

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