負のレバレッジ(逆レバレッジ)でも融資を使って不動産投資をするのはなぜ?

不動産投資


どうも不動産職人です。

不動産投資の醍醐味と言えば、銀行の融資を使ったレバレッジ効果(てこの原理)が使える点。

レバレッジをうまく効かせることが出来れば、少ない自己資金を効率よく働かせることが出来ます。

しかし、レバレッジには、資金効率がよくなる正のレバレッジがある反面、資金効率が悪くなる負のレバレッジ(逆レバレッジ)もあります。

資金効率が悪くなるのに、それでも負のレバレッジで敢えて不動産投資をする人もいます。

負のレバレッジでも融資を使って不動産投資をする意味についてお話したいと思います。

レバレッジ効果とは

レバレッジについては別の記事で書いてますのでこちらを参考にしてください。

レバレッジ効果とは?不動産投資で効率よく資産を増やすにはレバレッジの力を使え!【お金の勉強を始めよう】

レバレッジ効果とは、銀行から借り入れをして不動産を購入することで、より多くの収入を得ることが出来、自己資金の利回りが上がることを言います。

不動産投資では、このレバレッジ=てこの原理を使うことで効率よく資産を増やすことが出来るわけですね。

レバレッジには正のレバレッジと負のレバレッジがある

レバレッジには正のレバレッジと負のレバレッジがあります。

正のレバレッジでは、融資を利用することで投資効率が上がりますが、負のレバレッジでは融資を利用することで投資効率が下がってしまいます。

正のレバレッジ例

例えば、価格1000万で利回り7%の区分ワンルームを購入するとします。

条件1 金利1%、期間30年、融資金額900万(自己資金100万)

※ここでは、購入諸経費などは計算しないものとします。

価格1000万で利回り7%ということは年間の収入は70万。

年間の運営費を収入の25%とすると17.5万、返済金額は34.7万。

収入    70万

運営費   17.5万

返済金額  34.7万

手取り収入 17.8万

手取り収入は17.8万となりました。

ここで投入されている自己資金100万円に対して17.8万ということなので利回りは17.8%となります

元々7%だった利回りが17.8%にアップ=投資効率が上がりました。

投資効率が上がる=正のレバレッジ、レバレッジの効果があるということになります。

負のレバレッジ

先ほどと同じ条件で、価格1000万で利回り7%の区分ワンルームを購入するとします。

条件2 金利2%、期間20年、融資金額900万(自己資金100万)

※ここでは、購入諸経費などは計算しないものとします。

価格1000万で利回り7%ということは年間の収入は70万。

年間の運営費を収入の25%とすると17.5万、返済金額は55.0万。

収入    70万

運営費   17.5万

返済金額  54.6万

手取り収入 -2.1万

手取り収入は-2.1万となりました。

ここで投入されている自己資金100万円に対して-2.1万ということなので利回りは-2.1%となります

元々7%だった利回りが-2.1%にダウン=投資効率が下がりました。

投資効率が下がる=負のレバレッジ(逆レバレッジ)、レバレッジの効果がマイナスに働いたということになります。

せっかく融資を使ったのに投資効率が下がってしまいました。

投資効率だけを考えるなら、この条件だと融資を使って不動産投資をしない方が良いということになります。

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なぜ、投資効率が悪いのに負のレバレッジでも物件を購入するのか

では、負のレバレッジの場合は、物件を買わない方が良いのでしょうか。
実は投資家によっては、負のレバレッジでも物件を購入するケースは当たり前のようにあります。
それは、不動産投資の仕組みが分かれば理解することが出来ます。

融資の返済には利息と元本返済がある

不動産投資をする際に理解しておきたいのが、融資の返済には銀行への利息と元本部分があることです。元本部分については、融資期間が短くなればそれだけ毎月の返済における元本部分が増えていきます。
先ほどの例で比較すると1年目の返済は
条件1 金利1%、期間30年、融資金額900万(自己資金100万)
返済額 34.7万 利息8.9万   元本 25.8万
条件2 金利2%、期間20年、融資金額900万(自己資金100万)
返済額  54.6万 利息17.6万 元本 37万
期間が10年違うと同じ900万の融資を受けても毎年の返済が12万も変わります。
返済が10年早く終わるので当然と言えば当然ですが、不動産投資ではこの部分が非常に重要です。

元本部分は売却時に現金化される

例えば、先ほどの2つの融資条件で10年後に収支がどうなるか見てみましょう。
今回は中古物件で家賃の下落がほとんどなく、売却時も1000万で売れたとします。
※ここでは家賃の下落、空室等は考えないものとします。
条件1の場合(10年後に売却)
年間の収支17.8万×10年=178万
元本返済分 270万
売却時に10年間で得られる現金 448万
条件1の場合(10年後に売却)
年間の収支-2.1万×10年=-21万
元本返済分 400万
売却時に10年間で得られる現金 379万
効率が良い正のレバレッジの条件1の方がやはり10年間で得られる金額は多いですが、自己資金100万円が条件2でも279万円も増えています。
不動産投資では、売買にかかる諸経費や空室やリフォームなどマイナス要素は多いのでもう少し実際には得られるお金は減りますが、きちんと収益の上がる物件を購入すれば負のレバレッジでも資産を増やすことが出来るという訳です。
負のレバレッジ(逆レバレッジ)でも不動産投資をする理由はここにあります。

購入する不動産が収益を上げられるかどうかが重要

同じマイナス収益でも新築ワンルームと今回ご紹介したケースは違います。
今回ご紹介してケースでは、家賃下落が落ち着いた中古物件なので、売却時も大きく価格が変わらない前提でシミュレーションしています。実際に都心部の中古物件では、現在築年数が古くても値上がりしている物件もあります。
しかし、新築ワンルームの場合は、物件価格も家賃もプレミアム価格となっており、物件価格においては購入した時点で2割~3割下がり、家賃も年々下がっていきますし、更に年間の収支もマイナスとなるわけです。
購入した時点ですでに元本の返済よりも物件価格の下げが大きく、10年くらいだと売却しても逆に手出しししないと売却も出来ません。こういった資産が増える要素のない不動産投資はやるべきではありません。
きちんと収益が上がる物件は、負のレバレッジ(逆レバレッジ)でもきちんと資産を増やしていくことが出来ます。
資金効率を考えると当然正のレバレッジが好ましいですが、別に負のレバレッジだから融資を使うのはダメだということではありません。
この辺りが理解できるようになれば、不動産投資で失敗することはほとんどなくなりますね。

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