【不動産投資を始める前に仕組みを理解しよう】新築ワンルーム投資とは?節税目的で行う不動産投資で資産を増やすのは難しい!

不動産投資

どうも不動産職人です。

大阪市内でもまだまだ新築ワンルームがボコボコと建設されています。

しかし、その新築ワンルームを購入してしまうと、不動産投資としてはかなり厳しいスタートになってしまいます。

不動産投資の中でもオススメできない投資がいくつかありますが、その中でも代表的なのがこの新築ワンルームマンションです。

都内の一等地で稀にワンルームでも物件価格が上がるエリアがありますが、それ以外のエリアは新築プレミアムで物件価格に2割〜3割程度デベの利益が乗っておりますので99%儲かりません。というか損します。

オーナーチェンジの物件で運営が上手くいかず手放したいのですが…という相談者のほとんどがこの新築ワンルームなのです。

では、新築ワンルームがなぜ儲からないのかについてお話いたします。

新築ワンルーム投資とはどんな投資?

この新築ワンルーム投資で物件を購入してしまう人の多くは、会社役員をされている方やお医者様など高収入の方が多く、節税対策で買われたというお話が多いです。

その次に多いのが、公務員やサラリーマンで年収600万〜800万くらいで少し学歴のあるけど人の良い人。あとは自分に自信があり人に相談するのが苦手な人(笑)

新築ワンルームマンションの営業トークでは、

①節税対策

②老後の資金に

③生命保険代わりに

④毎月1万円程度の負担でローンを払い終われば資産になる

と言ったものがあります。

しかし、これからの説明を聞いてもらえばわかりますが、③以外は基本ほとんど効果はありません。


いつもお話しさせていただいておりますが、不動産投資は事業なので、赤字を出して税金を払わないより、きちんと黒字を出して税金を納める方が健全なわけです。

そこがわからないなら不動産投資はやめておいた方がいいです。

節税効果も初年度だけで2年目にチョロっとあって終わり。そうなるともう一戸買ってまた節税しましょうと言われてズルズルと3戸、4戸と買わされます。

1戸買うだけで300万~500万の損をしますので、3戸買うと普通のサラリーマンならアウト。5年もして家賃下落が始まると手出し1万が3万になり、3戸あれば毎月10万程度の赤字に。売りたくても残債が多くて売れない。そうなると自己破産しかありません。

これはハッキリと言っておきます。きついようですが、この程度の勉強が出来ないならカモにされるだけ。


それでは、何故新築ワンルーム投資が儲からないのかについて話していきましょう。

なぜ新築ワンルームが儲からないのか

「いや、それでも将来資産が持てるなら融資条件の良い新築ワンルームを手出し1万円でも買いたい」という愚者に、数字ではっきりとこの投資が儲からない理由を説明しましょう。

例えば、2000万円の新築ワンルームをで買ったとしましょう。

賃料 80,000円×12=960,000円

運営費 賃料の25%
(管理費、修繕積立金、固都税等含むと概ね年間20~25%)

手取り 60,000円×12=720,000円

融資条件 2% 35年 2000万 元利均等方式
年間返済額 795,030円 

実質収入 720,000円-795,030円
     = -75,030円

月々 6252円の赤字ですね。

実際には確かに月10,000円くらいのマイナスで済む価格設定になってます。

但し、あくまでこれは家賃が下がらないシュミレーションで営業をされる訳です。

新築ワンルーム

しかし、実際は次のような感じになります。

sinchiku

新築プレミアム効果が無くなる、5年目くらいから物件価格が下がり始めます。
これは賃料も2回転、3回転目と下がっていくことも影響しています。

収益物件の場合は、期待利回りによって家賃が決まるので収入が減ればそれだけ物件価格は下がるからです。

実際に10年後、家賃が年間1%ダウンし72,000円となったと想定してみましょう。

そうなると期待利回りは6%程度だとして物件価格は、

賃料 72,000円×12=864,000円 

86.4万÷6%=1440万

10年間で560万の下落ですよ!

運営費 賃料の25%
(管理費、修繕積立金、固都税等概ね20~25%)

手取り 54,000円×12=648,000円

648,000円-795,030円=-147,030円

実質月額収入 -147,030円 となります。

もうこの時点では毎月の支払は1万を超えてます。10年間1万円支払いつづけたとすると120万の累積赤字。

そして物件価格の下落560万。合わせて680万のマイナス。

この物件持っている人には損切してでも売却をと進めましたがメールでのやり取りだったのでその後はショック過ぎたのか連絡がつながらなくなりました。

これを35年続けた後、考えるだけでも恐ろしいマイナスです。

10年持てれば残債は1200万ほどになっているのでそこまで耐えることが出来れば売却は可能です。

仮に35年後、実質賃料が実入りになるとしても、賃料も下がっているし、回収するのに何十年と掛かる訳です。その時物件はもう築古ですよ。

新築ワンルームは100%儲からないのか

ただし、新築ワンルーム投資が100%儲からない訳ではなく、仮に、金利が極端に安く資金調達ができる等キャッシュフローが取れれば、収益は上がる訳ですから問題はないですよね。中々そんな条件で買えないので、やはりリスクが高い投資と言えます。

買ってしまった人は仕方ありませんので、早めに損切するか、家賃が下がらないことを祈るしかありません。

ここまではジャブジャブ融資の不動産投資ブームで損は限定的だったかもしれませんが、これからは人口減少が進み、賃貸は過当競争に入ります。そこで今の家賃がキープできますか?ということです。

今まさに営業を受けているという方、是非この記事を読んでいただき、思いとどまっていただければと思います。

キャッシュポイントを理解しよう

不動産投資では、運営期間中に収益を上げるか、売却時に儲けるかのキャッシュポイントは基本的には2つあります。

新築ワンルームが儲からないというのは、運営期間中、売却時のどちらもキャッシュがマイナスになるので儲かるキャッシュポイントがない!からなんです。

ということで、投資は自己判断なので、この記事を読んでも最終的に新築ワンルームが買いたいんだというならそれも仕方ないでしょう。ただ、折角不動産投資をするなら儲かる物件を買って資産を増やしてほしいと思います。

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