不動産投資の失敗例②地方の高利回り一棟RCマンション投資

コラム

どうも不動産職人です。

昨年2017年は金融機関の不動産投資への貸付がバブル期を越え、一部の金融機関では融資を控える動きも出てきています。

ここ数年はアベノミクスや東京オリンピック特需などの影響もあり、副業や投資先として不動産が注目され空前の不動産ブームと言えるでしょう。

不動産投資は、株やFXに比べて比較的安全、ミドルリスクミドルリターンの投資と言われていますが、投資である限りリスクもあり、失敗する方もいます。

日経新聞などでは、不動産投資で失敗者が多く出ているといった記事が掲載されておりましたが、そのほとんどが地方の高利回り中古RCマンションへの投資です。

今回は、地方の高利回り一棟RCマンションへの投資が何故失敗してしまうのかについてお話したいと思います。

地方の高利回り一棟中古RCマンション投資とは

数ある不動産投資の中でも、地方の高利回り一棟中古RCマンション投資で成功することは難しく、失敗した人の多くは不動産会社と某銀行が作ったこの地方の高利回り一棟中古RCマンション投資スキームにはめられた人たちです。

はめられた人は多くは、医者や弁護士などの高属性の人々。

地方の高利回り一棟中古RCマンション投資スキームにはどういったカラクリがあるのでしょうか。

地方の高利回り一棟中古RCマンション投資

同じ不動産投資をするなら出来るだけ規模が大きい方が収益も上がってかせぐことができそうですが、不動産投資では、入っている家賃収入がすべて収入となるわけではなく、運営費、メンテナンス費用などいろいろな経費がかかります。

また、物件によっては空室期間が長くなったり、入れ替わりが激しいとリフォーム費用がかかるなど実際の収益性を測るには色々な要素があります。

では、地方の高利回り一棟中古RCマンションの場合は、どういった投資になるのでしょうか。

収益性が高い=利回りが高いと考えられる方も多いですが、利回りが高いということはその利回りでないと売れない=リスクが高い物件と考えることが出来ます。

そう考えると地方の高利回り一棟中古RCマンションはやはりリスクが高い投資とご理解いただけると思います。

しかし、地方の高利回り一棟中古RCマンションの場合は、不動産会社と某金融機関が連携して売却するスキームが確立されており、高金利のフルローンで物件を購入させられるのです。

この不動産業者というのが、三為業者と言われている業者。

物件を仕入れて、自社で買った形にして買主に購入させます。

これを第三者の為の為の契約と言い、一旦買ったことにするときに利益を上乗せして買主に売ります。

売主から買うので仲介手数料はない場合が多いですが、利益はそこでかなり乗っかてます。

これは物件が高ければ高いほど効果的で、抜ける金額も増えるというわけです。

そのため、三為業者は、銀行にどれだけその物件を高く見せられるかが腕の見せ所。

サブリースをしたり、フリーレント6か月などを使って高い家賃で入ってもらう、最悪は自社の社員を一時的に入居させるなんて強者も。

更に中古RCマンションは某金融機関の融資基準である積算評価が出やすく、RCなので耐用年数も長い為、長期で融資を組むことが出来ます。

利回りが良いので収入も多く、金利は高くても融資期間を長く組むことでも購入当初はキャッシュフローも出るので、自己資金を使わなくてキャッシュが入ってくるならまあ良いかということで買わされます。

しかし、運営していくと空室が増え、空室が埋まらないので収入が減る、そうなると早く埋めたいので賃料を下げる。下げて入ればまだ良いほうで物件によっては長期間空室が続く。(そりゃ無理やり入れてるわけですから、フリーレント期間が終わったら出ていってしまうという入居者も多いわけで、社員は当然2~3か月で出ていきます

そうこうしていると外壁や防水が切れて大規模修繕が必要だ、設備の故障が相次ぎ交換が必要になるなど更に負担は増えます。

こうなってくると銀行への支払いが出来なくなり、売却せざるを得ないことになりますが、この投資の怖いのはここからです。

購入時よりも空室が増えたり、老朽化が進み物件の内容は悪くなっています。

そうなると売却価格は当然下がることになります。

フルローンで物件を購入しているので残債はほとんど減っておらず、売却するのに追い金が必要になるのです。

運営でマイナス、売却でマイナス、そうなると最後は自己破産しかないということになってしまいます。

まあ、これにて一丁上がりとなってしまうわけです。

地方の高利回り一棟中古RCマンションを購入する場合は、きちんと市場調査をした上で、こういったリスクを想定した上で購入しないとまず成功しません。

医者や弁護士、上場企業の役員など高属性の人ほど騙される

地方の高利回り一棟RCマンションは金額も数億円するものも多く、不動産業者の営業マンも仲介手数料を多く稼ぐことが出来ますので、営業トークも巧み。

物件が高額なので購入できるのも医者や弁護士、上場企業の役員といった世間からはすごいと思われている人達が、資金をかけずに年間数百万円の収入があると言われると思わず乗ってしまうのです。

そんな世間からはすごいと思われている人達が何故騙されてしまうのか。

家電など小さい買い物だと自分で色々と調べたり、家電量販店を回ったりして熟慮して購入するのですが、金額があまりに高額になると思考が停止してしまうんですね。

高額になると自分で判断するよりもやはりプロである不動産会社に任せた方が良いという心理が働き、「この物件も良い」と言われるとあまり検討せずに購入してしまうのです。

最初に良い物件を紹介してくれる不動産会社に当たればいいですが、悪い不動産会社に当たってしまうと一棟、二棟と買わされ、最後はドボンしてしまうことになります。

不動産投資ではパートナー選びが重要

不動産投資は最初が肝心。

最初にミスをすると挽回するのに、倍以上の時間が掛かり、不動産投資をしなければよかったというケースも数多くあります。

そうならない為にはやはりパートナーである不動産会社選びが重要になります。

不動産会社はどうやって利益を得ているのか

収益物件を取扱う不動産会社は、自社で建てて物件を売る建売業者、売買の仲介をする仲介業者や転売して利益を得る転売業者(三為業者)があります。

建売業者は、建築費用に利益をのせて売却して利益を得ます。

建売業者から直接購入する場合は、仲介手数料はいりません。

仲介業者は、金額にもよりますが、400万円超の物件を仲介すると3%+6万円(税別)の収入を得ることが出来ます。

多くの不動産会社はこの仲介手数料が収入のメインです。

転売業者は最近増えていますが、三為取引といって売主→転売業者→買主の流れで取引は行われ、売主から購入した金額にいくらか上乗せした額で買主に売却しその差額が利益になります。

物件売りませんかというような不動産会社は転売業者がほとんどです。

この場合、売主から仲介業者を介して購入するよりも高い金額で買わされることが多くなります。

自社ではなく、お客様の利益を考えてくれる不動産会社を選ぶ

前述の通り、不動産会社も様々なので、購入の際はその会社がどういったタイプの会社か確認しておく必要があります。

建売業者や転売業者の場合は、高く売れば売るほど自社の利益になりますので、やはり直接売主から購入する場合は相場と比べて高いか安いかを調べる必要があります。

仲介をメインにしている不動産会社でも色々あり、最近では悪徳不動産会社というのは減りましたが、お客様が損をすると分かっていても、仲介手数料を得ることを優先して地方の高利回り一棟中古RCマンションを仲介する不動産会社はまだまだあります。

すべての地方への投資が悪いということではなく、やはり収益を上げることが出来るかどうかが重要なわけです。

そのためには、自社ではなく、お客様の利益を考えて物件を紹介してくれる不動産会社を選ばないといけません。

地方の高利回り一棟RCマンション投資をやるなら慎重に

私の場合は、首都圏を中心に短期間で大きな利益を出す投資ではなく、着実に資産形成が出来、収益を確保できる物件を紹介しています。

地方の高利回り一棟RCマンション投資については、もし投資するということであれば、きちんと市場調査を行うなど慎重にやっていただきたいと思います。

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