【不動産投資の基礎/投資分析】投資の安全性はどうやって見るの?安全性をチェックする3つの指標(DCR、BE、LTV)

不動産投資の基礎知識

どうも不動産職人です。

不動産投資をせっかくやるなら失敗して遠回りして欲しくない!

ということで、今回から不動産投資の基礎の3回目は、前回学んだキャッシュフローツリーを使って
投資分析を行っていきます。

今回は、安全性を見る3つの指標をご紹介します。

安全性を見る指標には、DCR(デットカバーレッジレシオ)、BE(ブレークイーブンポイント)、LTV(ローントゥヴァリュー、バリュー)の3つがあります。

リスクとリターンの関係

不動産投資では、投資家のスタンスによって、収益性を求めるか、安全性を求めるかは違います。

高い収益性を求めれば、リスクは上がりますが、リターンは増えます。

逆に安全性を求めれば、リスクは下がりますが、リターンは減ります。

不動産投資のメリットのひとつとしては、自分でどういった投資を目指すか選択できるところにあります。

収益性をみる指標について勉強したい方はこちらをご参照ください。
【不動産投資の基礎/投資分析】収益性がわかる指標・実質利回り(FCR)と自己資金利回り(CCR)

安全性を見る3つの指標(DCR、BE、LTV)

前回は、キャッシュフローツリーを使って収益性がわかる指標・実質利回り(FCR)と自己資金利回り(CCR)をご紹介しました。

今回も同様にキャッシュフローツリーを使って、安全性を見る指標についてご紹介します。

キャッシュフローツリーの作成方法についてはこちらをご参照ください。
【不動産投資の基礎】不動産投資を始めるならまずはキャッシュフローツリーを理解しよう

購入する物件の条件は下記の通りです。

物件 区分ワンルーム  1000万円
購入諸経費 100万(仲介手数料、登記費用等)
家賃          6万円
首都圏・空室率5%   3.5万円
運営費GPIの20%   14万円借入 金利 2.5% 期間30年 融資額900万円
自己資金 100万円
初年度年間返済 42.5万※ 計算しやすいように数字は若干調整しております。

総潜在収入(GPI) 72万
▲空室損等      3.5万
―――――――
実効総収入(EGI) 68.5万
▲運営費(OPEX)   14万
―――――――
営業純利益(NOI)  54.5万
▲年間返済額(ADS) 42.5万
―――――――
税引き前キャッシュフロー(BTCF) 12万

DCR(デット・カバーレッジ・レシオ)=負債支払安全率

まずは、最初にDCR(デットカバーレシオ)=負債支払安全率についてお話いたします。

このDCRは、銀行や証券会社などの金融機関でもDSCR(デット・サービス・カバレッジ・レシオ)として使われている指標です。

収入に対して、返済がどの程度余力があるかを見る指標になります。

DCR=NOI(ネット収入)÷(年間返済額)

では、今回の条件で計算してみるとDCRは、

54.5万÷42.5万=1.28

一般的には、DCR1.2~1.5あれば良いと言われていますが、単純にいうと1.0だと±ゼロということです。

DCRが高いほど返済余力があるということになりますので、安全性は高いと言えます。

現金で購入した場合は、返済額がありませんので安全性は非常に高いと言えますが、ローンで購入する場合は、年間返済額が少ないほど破綻するリスクは低いという考え方になります。

【年間返済額を減らす方法】

安全性を高めるためには、年間返済額を減らす必要がありますが、実際にどうすれば年間返済額を減らすことが出来るのか。

方法としては大きく2つあります。

・頭金を多く入れる
・期間を長くする

投資家の立場で考えると、自己資金は温存しておきたいということで、出来るだけ期間を延長するのが安全性を高める得策と言えます。

特に、不動産投資初心者や投資を始めたばかりの場合だとキャッシュフローは多い方が良いので、融資期間を長くとるという戦略は有効です。

しかし、安全性を高めることはできますが、その分元本返済が遅れ、金利の支払いは増えるということは理解しておく必要があります。

不動産投資で融資期間がなぜ重要なのか。年間のキャッシュフローを多く得たいなら期間は?

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BE(ブレークイーブンポイント)

次は、BE(ブレークイーブンポイント)についてお話いたします。

この指標は、いわゆる損益分岐点で、どのくらいの空室まで耐えることが出来るかを見ることができます。

下記の式で計算することが出来ます。

BE=(Opex〈運営費〉+ADS〈年間負債支払額〉)÷GPI〈年間総収入〉

今回の場合ですと運営費14万+年間返済額42.5万÷年間総収入72万=78.4%となります。

100%-78.4%=21.6%

空室が2割を超えると損益分岐点を割りこみ、マイナスになってしまいます。

目安としては、3割を越えたいところですが、空室率5%程度のエリアであれば、この数値でも十分と言えます。

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LTV(ローントゥヴァリュー、バリュー)=ローン資産価値比率

最後に、LTV(ローントゥヴァリュー、バリュー)=ローン資産価値比率についてお話いたします。

この指標は、物件価格に占めるローンの割合になります。

下記の式で計算することが出来ます。

LTV=融資額(LB/ローンバランス)÷物件価格(V/バリュー)×100

今回の場合ですと融資額900万÷物件価格1000万×100=LTV90%

フルローンですと、融資額1000万となりますのでLTV100%

オーバーローンですと、融資額1000万+諸経費50万とするとLTV105%

となります。

この数値が低いほど安全性は高く、高いほどリスクは高いといえます。

最初は安全性高めでスタート

これから不動産投資を始めたいとお考えの方の場合は、出来るだけ安全性の高い投資から始めることをオススメします。

融資額は出来るだけ抑えて、融資期間は出来るだけ長く取ることを心掛けてください。

不動産投資は、入り口が重要で、最初失敗するとリカバリーに時間を要します。

急がずとも、時間を掛けてじっくりと資産を増やしていくのが堅実に資産を増やす近道になります。

しかし、投資家によって目指す目標は違います。

規模を大きく拡大したいと考えている方は、自己資金は出来るだけ温存し、融資枠一杯使って行かないと拡大に時間が掛かってしまいます。

その場合は、安全性はある程度無視して、効率性を求める必要があります。

どの程度のリスクがあるのか、この投資分析を使えばある程度把握することが出来ます。

最初はリスクを取って、規模を拡大してリスクを下げていくという方法もあります。

ご自身にあった投資方法で資産拡大を目指してください。

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