どうも不動産職人です。
何でも揃うアマゾン(amazon)がいよいよ住宅不動産業界に参入ということで話題になってますね。
これまでも流通業界の垣根をぶち壊してきたアマゾンですが、
米アマゾン・ドットコムは米国の大手不動産会社リアロジー・ホールディングスと提携し、「ターンキー(TurnKey)」と呼ぶ住宅購入支援サービスを始めるとのことです。
不動産業界も不動産テックが業界を変えるなんてやってますが、アナログすぎる不動産業界では中々現実に落とし込むのが難しいようで、新しいサービスが出来ても知らないうちに消えていたなんてことも多いです。
でも、すでにIT業界の巨人として君臨するアマゾンが住宅不動産業界に参入となると話は違います。
今回始まるアマゾンの「ターンキー(TurnKey)」とはどういうサービスなんでしょうか
アマゾンが住宅不動産業界に参入する理由とは
兼ねてからいつアマゾンは不動産を始めるのかと言う話がありましたが、今回アマゾンは、なぜ住宅不動産業界に参入することを決めたのでしょうか。
住宅不動産会社と組むことによって、住宅購入時に自前のホームサービスを販売する狙いがあるようです。
提携先のリアロジーってどんな会社?
リアロジーは、「センチュリー21」「ベターホームズ&ガーデンズリアルエステート」「コールドウエルバンカー」「サザビーズインターナショナルリアルティ」などのブランドを傘下に持つ米国最大手の住宅不動産会社で不動産仲介業をメインに行っている。
同社所有の不動産を「コールドウェル・バンカー」などの名で仲介するほか、転勤者向けのリロケーションサービスや不動産取引の際の決済サービスも提供しており、本社はニュージャージー州にある。
アマゾンが提供する「ターンキー(TurnKey)」のサービス
アマゾンの「ターンキー(TurnKey)」は、アマゾンを通じて購入者とエージェントを結びつけるサービスです。
購入した顧客は、住宅情報に加えて1000ドル〜5000ドルのクレジットをもらうことが出来ます。
今回大きな話題にはなっていますが、「ターンキー(TurnKey)」のサービスは、実はそんなに先進的なものではありません。
簡単に言うと、アマゾンの「ターンキー(TurnKey)」に物件を買いたいエリアをと登録すると、リアロージーのエージェントから連絡があるという何ともアナログな感じ。
だだ、紹介されるエージェントは、事前審査を受け、高い評価を受けたリアロジー傘下の複数のエージェントになるので安心してサービスを受けられるというわけです。
米国の15都市で展開
まずは、このサービスは、当初カリフォルニア州のロサンゼルスやサンフランシスコ、ワシントン州シアトル、アリゾナ州フェニックス、コロラド州デンバー、ワシントンDCなどの米国の15都市で展開するようです。
アマゾンのメリット
「ターンキー(TurnKey)」を通じて紹介されたエージェント経由でお客様が物件を購入した際に、アマゾンが1000~5000ドル(約11万~54万円)相当のスマートホーム製品や掃除サービスなどアマゾンの商品やサービスを特典として提供するが、その費用はリアロジーが負担するとされている。
アマゾンは、紹介するだけで商品を売ることができるわけです。
リアロジーのメリットは?
何かアマゾンだけが得するような話に思えますが、リアロジーのような従来型の不動産業界は、ITプレーヤーのZillow(ジロー)などに顧客を奪われて苦戦しており、リアロジー自体もIT化を進める方針を打ち出していました。
そこで今回アマゾンと手を組んだわけですが、リアロージーにはどういったメリットがあるのでしょうか。
Zillow(ジロー)などのITプレーヤーに流れていた顧客を取り戻す
日本でもそうですが、顧客が住宅を探す際にまず見るのが住宅情報のポータルサイト。
米国では、Zillow(ジロー)がマッチングプラットフォームのサービスを展開しており、近年このサイト経由で購入する人が増えています。
リアロジーとしては、今回アマゾンと組むことでこれまでZillow(ジロー)に流れていた顧客を奪い返すことが目的。
逆に、Zillow(ジロー)サイドは、今後顧客に情報だけ取られて、クレジットのもらえるアマゾンの「ターンキー(TurnKey)」経由でエージェントとマッチングされてしまうことになるため、広告収入が減少することが予想されるなど大きな危機感を抱いているようです。
一部では問題点も指摘
今回の「ターンキー(TurnKey)」のサービスの開始は、米国不動産業界に大きな衝撃を与えたのは、間違いありません。ただ、一部では問題もこういった問題も指摘されています。
エージェントの選択肢が減る
日本では、専任媒介などの物件だと、情報を囲い込みされるなど中々どの仲介会社でも紹介できる状況にあるとは言えません。
米国では、一つの物件をどのエージェントでも紹介できます。
しかし、今回この「ターンキー(TurnKey)」のサービスを使うことで、エージェント選択が1択になってしまい、エージェントの選択が限られるというデメリットがあると指摘されています。
紹介されるエージェントが優秀だったらいいですが、あまり優秀でないエージェントを紹介された場合は良い物件を購入できない可能性もあります。
日本で可能性は「ターンキー(TurnKey)」が展開される可能性は?
アマゾンが米国で展開する「ターンキー(TurnKey)」ですが、すぐに日本でも展開されるかというと?です。それは日本マーケットが独特だからと言えます。
まだまだ未熟な日本の不動産業界
日本の不動産業界は、米国から数十年遅れていると言われているように、まだまだ未熟な部分が非常に多いです。
一番大きな理由は、アマゾンの顧客を一手に賄える規模の大きな不動産仲介会社がないこと。
スーモなどで物件を探すことは出来ていますが、すべてそのエリアの仲介会社に紐づけられています。米国の場合は、Zillow(ジロー)で見た物件はどのエージェントに依頼しても買えますが、日本だとその情報を出している仲介会社からしか買えない状況がほとんどです。(本当はどの仲介会社がやってもいいのですが、売主側の仲介が情報を出さなかったりする囲い込みが行われたりするので、ポータルサイトに情報を上げている仲介会社からしか買えないのが現状)
なので、アマゾンが組むことが出来る不動産会社がない日本ではこのサービスの実現はかなり難しいでしょう。
とは言え、アマゾンのことですから、マイナーチェンジして日本にも持ち込んでくる可能性は十分考えられます。その時にアマゾンと組む不動産会社はどこなんでしょうね。
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