どうも不動産職人です。
シェアハウス問題に始まり、最近ではTATERUと不動産業界を賑わしておりますが、ここにきてアパートの過剰供給が問題化してきています。
その立役者として一端を握っているのは、大東建託、レオパレス、シノケンにTATERUといった大手ハウスメーカー。
同様に大手ではなくても、地場の建築会社が戸建建売からシフトして新築アパートを建築しているケースが多く、そういった中には狭小アパート言われる居住用スペースが10㎡前後の物件も多い。
私の知っている範囲では、この写真の物件を販売していた横浜市が本拠地のU社は有名。他にもS企画やA社なども最近駅から10分を越えるようなところでこういった狭小アパートを建てています。
知らないところでは、まだまだあるんだろうなと思っておりますが、そういったアパートの現状は空室が増え、大変な状況で売りに出されています。
10室中空室が6室になるとどうなるか
今回の物件ですが、よく融資がついたな思うような立地ですよね。
ここの業者は一年目は満室保証してくれるようなので、その辺りも融資に影響しているのかもしれません。
横浜市内ではありますが、根岸駅と言えば、まだ横浜駅よりではあるものの、ちょっと単身は弱めで駅から10分くらいで15㎡以上あれば何とか戦えるかなという感じ。
20分を越えると駐車場があるようなファミリータイプならありかもしれませんが、単純に延べ床面積120.28㎡を10戸で割ると12㎡しかない単身の物件は正直厳しいと言わざるを得ないでしょう。
賃料収入は、想定で646.8万円なので、1戸当たりの家賃は、約5.4万円。
しかし、恐ろしいことに、同じ会社が平成30年10月完成予定で建てている戸当たり11㎡の物件は、駅徒歩14分で家賃が共益費込みで5万500円。
そう考えるとこの物件が決まる価格帯というのは、5.0万円くらいだと思うのですが、売値を維持するために5.25万円で募集しているようです。
ただ、成約ベースでは時期によってはこれくらいで決まている箇所もあります。
更に、レインズで4万~6万の賃貸募集を見てみると多分少なく見積もっても250件中の6割くらいがこの会社が建てた物件だというから恐ろしい限りです。
では、シミュレーションしていきます。
まず、2年前くらいにこの物件をいくらで購入したかはわからないので、予想ですが利回り8.5%くらいで購入したとしましょう。
そうすると一年間の家賃が646.8万÷0.085=7609万円となり、売値は7600万くらいかな。
融資をフルローンで受けたとして、融資金額7600万 金利2.0% 期間35年(O銀行でいけた場合)とすると、年間の返済は302万。
それで2年間返済したとして残債は約7300万。
満室なら646.8万―130万(運営費20%)―302万=税引き前キャッシュフローは214万
これならウハウハですね。
しかし、原状は、年間の収入が4割の258万なので、運営費20%とすると51万くらいとしてキャッシュフローはー95万円。
実際にこの価格で売れても元本返済分の300万くらいが返ってくるだけ。
更に噂のスルガ銀行で買っていたら、金利は4.5%、同じフルローン(もちろん二重契約ね)で期間30年とすると年間の返済は462万円。
満室だったらこれでもキャッシュが出る計算になるので、可能性は十分あります。
売主から買っていたらいいですが、仲介で購入していたら仲介手数料を払っていたり、火災保険だ固定資産税だ、不動産取得税だと色々と諸経費を取られます。
売主から購入すれば諸経費は3%くらい、仲介だと8%くらい。
今回は売値と残債からある程度の利回りを出してますが、当時利回り7.5%くらいだったような気がするので、そうすると購入価格は8621万。
9割融資で…と考えると物件価格の下落が1200万、そして毎月100万くらいの赤字を垂れ流し…
不動産オーナーになって不労所得だと描いていた夢はもろくも崩れ去ることに。
しかし、怖いのはこれから
先ほどのシュミレーションはあくまで売れればの話。
一番恐ろしいのは、多分この価格で売れないことです。
多分、利回り10%でもこの空室率だったら売れないと思うので、それ以上となるともう地方都市と変わりません。
仮に10%で売れても6368万なわけですから、余程の自己資金がないとこの地獄からは逃れられないのです。
やはり、不動産投資は、いつでも逃げられるように出口のある物件を購入しないと怖いというのはこういったことが起こるからなんですね。
まだまだ狭小アパートは建築されていますが、それでもあなたは狭小アパートを買いますか?
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