スルガ銀行、シェアハウス借金帳消しはアリなのか

サブリース

どうも不動産職人です。

11月20日にスルガ銀行、シェアハウスの借金帳消しのニュースが飛び込んでくるやいやな、twitterやFBで不動産関係者が色々と問題点について発言。

私も聞いた瞬間、これまで破産した人や自殺して亡くなった人、他にもスルガスキームで同様に損失を被っている人達への対応はどうするのか。

スルガ銀行で不正融資と認められたものに関しては一部元本カットが11月30日まで受け付けられていますが、今回のシェアハウスは、建物と土地をスルガに譲渡すること(物納)で借金が帳消しとなる。

その物件はファンドが買う予定になっているようです。

この対応が本当に正しいのか。

投資は自己責任という根本を覆す今回の借金帳消し問題。

どこに問題があるのかまとめてみました。

シェアハウス問題とは

最初に簡単にスルガ銀行のシェアハウス問題について簡単にご説明したいと思います。

スマートデイズとシェアハウス「かぼちゃの馬車」

スマートデイズは、2012年にスマートライフとして設立。

2015年かぼちゃの馬車ブランドを事業を開始する。

30年間家賃保証をするということで、当時8%以上の利回りでサブリース事業を行っていました。

当時新築アパートが表面利回り7%~8%という中、サブリースで8%以上ということで高い利回りを背景に右肩上がりで顧客を増やしていきます。

女性向けシャアハウスというコンセプト、家賃収入以外に職業あっせんの収入があるということで安心感を演出。

最初は結構良い場所の物件を供給していましたが、年を経るごとに駅徒歩10分以上で実際には入居率50%に満たないような物件が出始めます。

私は、2016年ごろから「この物件購入したんですけど大丈夫でしょうか」という相談を多く受けるようになりました。

購入前に来てくれればやめておいた方が良いというアドバイスをしておりましたが、購入してしまうとどうしようもありません。

当時シャアハウスには融資がつかないこともあり(今でもかぼちゃにはつかないと思いますが)、取り敢えず持ち続けるしかないですねというアドバイスしか出来ませんでした。

いずれ大問題になるなとその当時から不動産業界ではかぼちゃの馬車崩壊説は話題になってました。

そして、2017年11月にサブリース賃料の減額、2018年1月にサブリース賃料が止まり、マスコミに取り上げられ、シャアハウス問題は社会問題化します。

スマートデイズは、今年大きな問題となったレオパレス出身者が運営していたことでも知られていますが、基本的なスキームはレオパレスと同じ。

サブリースし、30年間家賃保証するという安心感で物件を購入してもらうわけですが、当初の計画通りに賃貸、職業あっせんが上手くいかず、最後はサブリースの保証家賃が払えなくなったという訳です。

そして、かぼちゃの馬車に積極的に融資をしていたスルガ銀行がクローズアップされます。

最初は被害者扱いでしたが、最終的にはスルガ銀行の役員が絡む不正融資へと繋がっていきます。

年収や貯金のエビデンスが改ざんがされる、「エビどう?」が話題になり、その後はシェアハウス問題だけでなく、スルガスキームにまつわる「カーテン行きます」といった様々な不正融資が発覚します。

そして、スルガ銀行は業務停止に追い込まれ、旧経営陣は退陣し、今に至るという感じです。

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シェアハウス借金帳消しは問題点あり?

そんな感じで問題を起こしたスルガ銀行でしたが、かれこれ1年以上も不正融資問題の対応は続いている状態。

ここで幕引きをして、先に向かいたいということで、今回シェアハウス問題を一気に解決すべく、シェアハウス借金帳消しにするという方針に。

シェアハウス問題で苦しんでいる方には朗報ですが、やはり投資は自己責任という基本的に部分を置き去りにする今回の処置は本当に正しいのでしょうか。

借金帳消しの問題点

今回の借金帳消しでは、二つの問題があります。

スルガ銀行の顧客に対する問題

シェアハウス問題ですでに破産、自殺した人はどうなるのか?

他のスルガスキームで収益の上がらない物件を持っている人への対応は?

他の金融機関への影響

同じように不動産投資で失敗した人が金融機関に対して借金帳消しを求める。

一番の問題点は、不動産投資で上手くいかなかったら、ゴネたら借金帳消しになる

という前例を作ることです。

やはり、投資や事業においては、それをやるかやらないかはあくまで自己責任。

リスクがある代わりに、上手くいけば大きなリターンがあるというのが社会の認識だと思います。

これを曲げることは、本当に重大なことだということ。

確かに今回のシェアハウス問題に限れば、詐欺的スキームなので仕方がないと言えばそうなのかもしれませんが、他にも新築ワンルームや地方RCをオーバーローンで買って売るに売れない人もいます。

その人達も同様の処置を取らないのなら、私的には、この借金帳消しはすべきではないと思っています。スルガ銀行は自分だけよかったら良いと考えているのでしょう。

まあ、ノンリコースローンだったという突っ込みもありますが…

(ノンリコースローンの解説はこちら、リコースローンとノンリコースローンの違い

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実施されるなら活用すべき

私的には借金帳消しはすべきではないと思いますが、被害者の方は復活するチャンスなので、実施されるなら活用すべきだとは思います。

今後は簡単に儲け話に乗らないようにしてください。

不動産投資は勉強してやればそんなに怖くありませんが、何も知らずに参加して儲けられるほど甘いものではありません。

私のブログや他の先輩大家さんのブログなどを参考に勉強していただき、着実に資産を増やせる不動産投資を行っていただきたいと思います。

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