駅チカ・新築・設備充実でも半年空室|名古屋の新築アパート投資に潜む罠

不動産投資

どうも不動産職人です。

「大手ハウスメーカーが建てるアパートだから安心」「名古屋はリニア開発もあるし、名古屋駅から数駅なら賃貸需要もバッチリだろう」。

もしあなたが、そんな風に考えて名古屋周辺の新築アパート投資を検討しているなら、この記事を読み終えるまで、一度立ち止まってください。

いま、不動産業者やハウスメーカーから提案される収支シミュレーションは、『稼働率98〜99%(空室率わずか1〜2%)』という、実態とかけ離れた甘い設定ばかりです。

中には、上場しているような企業もありますが、相変わらず自社だけ良ければ売ったあとは知らないというのが本音でしょう。

しかし、実際に賃貸募集の現場を調べてみると、恐ろしいほどの『悲惨な現実』が見えてきます。

今回は、スペック的には何ひとつ文句がないはずの、ある名古屋の新築アパートの衝撃的な実態をもとに、パンフレットには絶対に書かれていないリアルな罠をお伝えします。

1. 【衝撃の実態】スペックは完璧、なのに半年間も空室が続く罠

先日、私のもとに『新築アパートを買ったのに、半年経っても満室にならない』というご相談が寄せられました。

まずは、その物件のスペックを見てください。

1-1. 相談事例|名古屋の新築アパートの物件スペック

項目 内容
立地 名古屋駅から5駅、最寄り駅から徒歩8分
構造・築年数 新築・木造アパート
間取り・広さ 1LDK(約30平米)
家賃 6万7,000円(共益費3,000円)
設備 ネット無料、スマートロック、宅配ボックス、防犯カメラ、ペット可

 

一見すると、どうでしょうか。

『駅から近くて、設備もトレンドをしっかり押さえている。

30平米の1LDKで家賃7万円なら、すぐに埋まるだろう』。

多くの方が、そう感じると思います。

ところが、この物件の募集条件の裏側では、大家さんが血を流すような『超・出血大サービス』が行われていたのです。

1-2. 満室にするために「家賃6ヶ月分」が吹き飛ぶ現実

この物件を埋めるために、実際に提示されていた募集条件がこちらです。

項目 募集条件
敷金・礼金 0円
広告料(AD) 2ヶ月分(客付けした業者へのボーナス)
フリーレント 3ヶ月(入居後3ヶ月間は家賃が無料)
仲介手数料 1ヶ月分(大家さん負担)
ネット月額費用 大家さん負担

 

敷金・礼金をゼロにし、設備をモリモリに揃え、さらに新築としては異例の『ペット可』というカードまで切っている。

それにもかかわらず、この物件は繁忙期を含めて半年間も空室のままという、絶望的な状況に陥っていました。

冷静に計算してみてください。

一室を埋めるために、広告料2ヶ月分+フリーレント3ヶ月分+仲介手数料1ヶ月分。

合わせて家賃の6ヶ月分、金額にして約40万円が、大家さんの手元から一瞬で消えていく計算になります。

もしこれが10室あるアパートなら、満室にするための初回コストだけで約400万円です。

しかも、入居者が1〜2年で退去するたびに、またこの約40万円のコストが重くのしかかります。

これでは、いくら表面利回りが良くても、手元にお金が残るはずがありません。

2. なぜ名古屋の新築アパートはここまで苦戦するのか?4つの原因

東京や大阪の感覚からすると、『名古屋駅から5駅、駅徒歩8分』の物件がここまで苦戦するのは、信じられないかもしれません。

ですが、ここには名古屋特有の事情と、アパート建築業界の構造的な原因があります。

4つに整理してお伝えします。

2-1. 原因① 単身者向けアパートの「建てすぎ」(供給過剰)

一番の原因は、供給過剰です。

土地を売りたい、アパートを建てさせたい。

そう考える建築業者やハウスメーカーが、名古屋周辺で『30平米前後の単身者向け』という似たような企画のアパートを、次々と建て続けています。

新築のうちは良くても、すぐに周辺へ競合の新築が乱立します。

結果として、終わりのない値引き競争に巻き込まれてしまうのです。

2-2. 原因② 「単身需要」がないエリアを見誤っている

『名古屋駅から5駅』と言っても、名古屋は一駅変わるだけで街の雰囲気がガラリと変わり、乗降客数が極端に少ない駅も少なくありません。

東京の感覚で『アクセスが良いから大丈夫』と安易に考えると、大きく外します。

そもそも単身者の需要が薄く、ファミリー層が中心の地域に、利益を出すために無理やり部屋数を増やした『狭小の単身アパート』を建ててしまう。

このエリアと商品のミスマッチが、空室の根本原因です。

2-3. 原因③ 家賃設定が高すぎて、下げたくても下げられない

大手の建築費には、莫大なマージンが上乗せされています。

そのため大家さんは、提案された『利回り6.5〜7%』を維持しようとすると、家賃を『7万円』から下げたくても下げられません。

そこで、家賃を下げる代わりに、フリーレント3ヶ月や広告料2ヶ月といった『一過性のコスト』で無理やり帳尻を合わせようとするのです。

表面上の家賃は守られますが、大家さんの財布は確実に削られていきます。

2-4. 原因④ 「リニア中央新幹線」への過度な期待とストロー現象

『名古屋はリニアが来るから、将来は安泰』。

このセールストークも危険です。

インフラが整うことで、逆に拠点が東京(品川)に集約され、名古屋支店が縮小・閉鎖されるという『ストロー現象』が起きる可能性も指摘されています。

ストロー現象とは、交通網の発達によって、人や経済がより大きな都市へ吸い取られてしまう現象のことです。

リニア万能論を鵜呑みにするのは、禁物です。

3. 悲惨な現実に直面しないための「最強の防衛策」

では、こうした悲惨な現実に直面しないために、何をすればよいのか。

名古屋周辺で新築アパートの提案を受けているなら、騙されないために、今すぐ次の2つを実行してください。

3-1. ハウスメーカーのシミュレーションを「1ミリも信じない」

まず、ハウスメーカーが出してくる稼働率99%の収支計画書は、いったん脇に置いてください

あの計画書は、あくまで『すべてが順調にいった場合』の数字です。

そうではなく、『毎年1%ずつ家賃が下落する』『空室率は15〜20%』『数年ごとに広告料やフリーレントが発生する』。

こうした現実的に起こりうる厳しいシナリオで、収支を自分の手で計算し直してください。

それでも手元にお金が残るなら、その物件は本物です。

3-2. 地元の賃貸業者「5〜6社」に泥臭くヒアリングする

次に、物件を売ろうとしてくる営業マンの話ではなく、実際に部屋を貸している現場のプロ、つまり地元の不動産仲介会社に意見を聞きに行ってください

ポイントは、1社だけでなく、5〜6社を回ることです。

経験の浅いスタッフもいますから、複数を回るなかで出会う優秀なベテラン営業マンから、本音を聞き出すのです。

『正直、あのエリアでその広さの単身向けは、余りまくっていますよ』『今の時期なら、AD2ヶ月は積まないと厳しいです』。

こうした現場のリアルな声こそが、あなたの大切な資産を守る唯一の盾になります。

4. まとめ:数字の裏にある「募集コスト」に目を向けよう

最後に、この記事でいちばんお伝えしたかったことを整理します。

不動産投資で本当に大切なのは、パンフレットに大きく書かれた『表面利回り』ではありません。

各種コストを差し引いて、実際に手元へ残る『キャッシュフロー』です。

どんなに見た目が綺麗で、最新の設備が揃った新築アパートであっても、エリアの需要を無視して建てられた物件は、いつか必ず大家さんに牙をむきます。

『大手が勧めるから』『名古屋だから』という思考停止を捨てて、現場の声に泥臭く耳を傾けること。

それが、悲惨な現実を回避するための、確かな第一歩です。

次回は、収益物件を購入した後に『最初の3ヶ月で必ず手を打つべきこと』を、実例を交えて解説します。

それではまた、不動産職人でした。

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