今から始めるならどっち?株式投資vs不動産投資のリアルな選び方

不動産投資

どうも不動産職人です。

「将来のために、そろそろ投資を始めたい。

でも、株式投資と不動産投資、結局どちらが自分に向いているのだろう?」。

読者の方から、こうしたご相談をよくいただきます。

最初に結論をお伝えします。

どちらが良いかは、あなたの『今の資金力』と『個人の信用力(属性)』によって、180度変わります

手元の資金でコツコツ増やしたい人と、会社員としての信用力を使って大きく動かしたい人とでは、選ぶべき道がまったく違うのです。

今回は、不動産業界歴10年の現役プレイヤーである私が、株式投資と不動産投資のメリット・デメリットの本当のところ、オルカンETFと中古ワンルームに100万円を投じた10年後の違い、そして初心者が絶対に手を出してはいけない『甘い罠』までを、正直にお伝えします。

1. 株式投資のメリット・デメリット|スピードと手軽さが武器

まずは株式投資から見ていきましょう。

株式投資の最大の武器は、その手軽さとスピードです。

1-1. 株式投資の3つのメリット|手軽さ・流動性・手間ゼロ

株式投資のメリットは、大きく3つあります。

1つめは、圧倒的な手軽さです。

数千円から数万円の少額資金があれば、スマートフォン一つで、今すぐにでも始められます。

2つめは、高い流動性です。

「売りたい」と思った瞬間に売却の注文を出せて、数日で現金化できます。

3つめは、管理の手間がほぼゼロという点です。

一度購入してしまえば、不動産のように修繕や入居者の募集といった手間は発生しません。

1-2. 株式投資の2つのデメリット|価格変動とレバレッジの限界

一方で、デメリットも理解しておく必要があります。

1つめは、価格変動の大きさです。

株価は毎日上下し、ときには短期間で大きく下落します。

日々の値動きに動じない精神的なタフさが求められます。

2つめは、レバレッジに限界があることです。

信用取引という例外を除けば、原則として、自分の手元にある資金以上の規模の投資はできません。

2. 不動産投資のメリット・デメリット|「信用力」が生むレバレッジ

次に、不動産投資です。

不動産投資の本質は、株式投資とはまったく異なります。

不動産は、お金だけでは買えません

「お金を借りられる社会的な信用」という武器を、最大限に活用する投資なのです。

2-1. 不動産投資の3つのメリット|融資・安定収入・団信

不動産投資のメリットも3つあります。

1つめは、銀行融資という『他人資本』を使って資産を拡大できることです。

自己資金が少なくても、数千万円規模の物件を動かせます。

これがレバレッジ効果です。

2つめは、安定したインカムゲイン(家賃収入)です。

毎月の家賃は、株価のように乱高下せず、収支の予測が立てやすいのが特徴です。

3つめは、団体信用生命保険(団信)です。

ローンを組むと加入でき、万一のときには残債が完済されるため、私的年金や生命保険の代わりとしての役割も果たします。

2-2. 不動産投資の3つのデメリット|ハードル・流動性・運営リスク

デメリットは3つです。

1つめは、始めるまでのハードルの高さです。

資金だけでなく、勤続年数や年収といった『属性(信用)』が融資の前提になります。

2つめは、流動性の低さです。

売りたいと思っても、売却して現金化するまでに数ヶ月から半年以上かかることが珍しくありません。

3つめは、運営リスクです。

空室、修繕費の発生、家賃の滞納など、経営者としての管理が常に必要になります。

3. 【シミュレーション】100万円を10年間運用したら、どう変わる?

ここで、多くの方が気になる『お金』の話をしましょう。

仮に100万円を投資に回したとして、10年後にどうなるのか。

代表的な選択肢として、オールカントリー(全世界株式)のETFと、中古ワンルームマンションで比べてみます。

なお、下記はあくまで一定の前提を置いた試算であり、将来の成果を保証するものではありません

比較項目 オルカンETF(全世界株式) 中古ワンルーム(100万円を頭金に購入)
投資のしかた 100万円をそのまま投資 100万円を頭金に1,500万円の物件を購入(残り1,400万円は融資)
10年後の目安 約163〜311万円(年率5〜12%の想定により変動) 家賃でローン元本が約310万円分減り、その分が純資産になる
お金が増える仕組み 株価そのものの値上がり 入居者の家賃でローンを返済し、自分の資産が積み上がる
主なリスク 株価の下落(値動きが大きい) 空室・金利上昇・物件価格の下落
手間 ほぼゼロ 入居者対応や修繕の判断が必要

 

3-1. オルカンETF(全世界株式)に100万円を投資した場合

まず、オールカントリー(全世界株式)のETFに100万円を投資した場合です。

全世界株式は、世界中の企業にまるごと分散投資する商品で、長期投資の代表的な選択肢です。

ここで気をつけたいのは、運用結果は『前提とする年率リターン』しだいで大きく変わるという点です。

下の表で、年率リターンを変えた場合の10年後を比べてみましょう。

想定の年率リターン 100万円の10年後(目安)
5%(保守的に見た場合) 約163万円
7%(世界株式の長期平均の目安) 約197万円
12%(直近のオルカンの実績に近い水準) 約311万円

 

超長期(数十年スパン)で見た世界株式の平均リターンは、年率7%前後とされています。

一方、直近のオルカンの円建て実績は、円安と世界的な株高が重なり、年率12%前後と非常に好調でした。

ただし、この高い水準が今後10年も続く保証はどこにもありません。

10年の途中では、大きく値下がりする局面も必ずあると考えておくべきです。

いずれにせよ、100万円という少額を、そのままフルに運用できる手軽さが、株式の大きな魅力です。

スマートフォン一つで今日から始められ、管理の手間もかかりません。

3-2. 中古ワンルームを「100万円を頭金に」購入した場合

次に、中古ワンルームマンションを買う場合です。

ここが、株式とまったく違うところです。

100万円は『そのまま運用するお金』ではなく、1,500万円の物件を買うための『頭金』として使います。

残りの1,400万円は銀行融資です。

つまり、100万円という少額で、その15倍にあたる1,500万円の資産を動かすことになります。

これがレバレッジです。

10年間、入居者からの家賃でローンを返済していくと、ローンの元本が約310万円分減ります

これは、家賃で他人に返してもらいながら積み上げた、自分の純資産です。

ただし、注意点もあります。

中古ワンルームでも、物件の価格は経年で下落していきます。

空室が出れば家賃は入らず、金利が上がれば返済額は増えます。

これらのリスクをすべて自分で背負うのが、実物不動産です。

だからこそ、立地の良い物件を適正な価格で買えるかどうかが、すべてを決めます。

4. 【要注意】「年収500万円から始められる新築ワンルーム」の危険性

ここまで読んで『不動産投資、ちょっと興味が出てきた』という方に、どうしてもお伝えしておきたい注意点があります。

それが、新築ワンルームマンション投資です。

4-1. なぜ「新築ワンルーム」は危険なのか|3つの理由

不動産業者から『節税になります』『自己資金ゼロで、将来の年金代わりになります』と勧められる新築ワンルーム投資。

その甘い言葉の裏側には、3つの危険が潜んでいます。

1つめは、購入した瞬間に価値が下がることです。

販売価格には、業者の利益や広告費が大きく上乗せされています。

そのため、鍵を受け取った瞬間に、資産価値が2〜3割下落するのが一般的です。

2つめは、収支が最初からマイナスになりやすいことです。

『節税』を大義名分に、毎月数万円の持ち出しが発生するスキームが少なくありません。

3つめは、年収500万円前後の会社員が、意図的にターゲットにされやすいことです。

融資がギリギリ通る属性であり、かつ投資の知識が乏しい層が狙われやすいのです。

4-2. 【シミュレーション】年収500万円で新築ワンルームを買うとどうなるか

言葉だけではピンとこないと思いますので、具体的な数字で見てみましょう。

以下は、よくある新築ワンルーム投資の一例です。

項目 金額(月額・目安)
家賃収入 +85,000円
ローン返済(2,800万円/金利2.0%/35年) −92,700円
管理費・修繕積立金 −12,000円
賃貸管理委託料 −3,000円
月々の収支 −22,700円

 

このケースでは、毎月22,700円の持ち出しが発生します。

年間にすると約27万円です。

『節税』で取り戻せるのは初年度くらいで、2年目以降は減価償却も小さくなり、節税効果はほとんど期待できません。

さらに怖いのは、売ろうとしてもローン残債が売却価格を上回る『オーバーローン』の状態になり、売りたくても売れないという点です。

加えて、新築ワンルームを買うと、次の物件を買うための融資枠(信用)まで使い切ってしまいます。

初心者がここから入ると、投資家としての将来そのものが絶たれるリスクが高いのです。

【新築ワンルームを買った人の末路が知りたい人はこちらの動画を見てね】

5. 初心者が本当に取り組むべき「不動産投資」の選択肢

では、初心者は不動産投資とどう向き合えばよいのか。

予算と信用力に見合った、地に足の着いた選択肢を3つご紹介します。

5-1. 選択肢① 中古戸建投資(低リスク・少額)

1つめは、中古戸建投資です。

数十万円から数百万円の自己資金でスタートでき、地方であれば現金で買える物件もあります。

融資を引かずに現金で買えば、金利上昇のリスクもありません

リフォームや賃貸管理の基本を、自分の手で学べるのも大きなメリットです。

5-2. 選択肢② 中古区分マンション(立地重視)

2つめは、中古の区分マンション、いわゆる中古ワンルームです。

新築のような業者の上乗せ(プレミアム)がなく、過去の賃貸履歴から、実質的な利回りを計算しやすいのが利点です。

ただし、管理費・修繕積立金の高騰には注意が必要です。

立地の良さを最優先に選んでください。

5-3. 選択肢③ J-REIT(不動産投資信託)

3つめは、J-REITです。

『信用力はまだないが、不動産には投資したい』という方の、現実的な選択肢になります。

株式と同じ手軽さで、複数の不動産に分散投資ができます。

6. まとめ:あなたに向いているのはどっち?

最後に、あなたに向いているのはどちらなのか、整理しましょう。

6-1. 株式投資が向いている人

株式投資が向いているのは、次のような方です。

まずは余剰資金(少額)から、コツコツと資産を増やしていきたい人。

そして、面倒な管理や手続きを避け、いつでも現金化できる自由度を重視したい人です。

6-2. 不動産投資が向いている人

一方、不動産投資が向いているのは、次のような方です。

会社員としての強い属性(信用力)があり、銀行融資を引いてレバレッジをかけたい人。

そして、毎月の安定したキャッシュフロー(家賃収入)を積み上げ、事業として腰を据えて取り組める人です。

株式と不動産、どちらを選ぶにせよ、ひとつだけ忘れないでいただきたいことがあります。

それは、業者の言葉を鵜呑みにせず、必ず自分で数字を計算するということです。

『節税になる』『年金代わりになる』といった甘い言葉ではなく、家賃、返済額、経費、空室リスクを自分の手で並べて、収支がどうなるかを確かめる。

その一手間こそが、投資家としての確かな第一歩です。

なお、この記事の試算はあくまで一例であり、投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。

次回は、購入した収益物件で『最初の3ヶ月で必ず手を打つべきこと』を、実例を交えて解説します。

それではまた、不動産職人でした。

(執筆:不動産職人/不動産投資のはてな

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