どうも不動産職人です。
(今回の舞台となった西五反田の旅館跡地の写真)
昨年起こった地面市による積水ハウス55億円巨額詐欺事件ですが、ようやく関係者が逮捕され事件の内容が明らかになってきましたね。
元々売ってくれない土地として有名だったこの場所ですが、都内の好立地でこの広さはどの企業も確かに欲しい案件だったと言えます。
しかし、真の所有者が内容証明を送ってまで、取引相手は真の所有者ではないと警告していたらしく、積水ハウスの社長がそれを無視して強硬決済に踏み切ったというからその裏で何があったんやと勘繰りたくなります。
東京オリンピックで土地が値上がりし、どこも好立地の土地は欲しいようで、大小別にして他にも地面師による事件は横行しているようです。
事件の詳細は、他の記事で見た貰うとして地面師とはいった何物なのでしょうか。
地面師とは?
地面師とは、簡単に言うと架空の土地取引を持ち掛けて、相手を騙す詐欺師集団のことですね。
東京新聞の記事ではこんな感じ
<地面師> 所有者や相続人に成り済まして無断で土地を売買し、代金をだまし取る人物や集団。標的となる土地の選別、所有者の偽装、書類の偽造といった役割を分担し、巧みな話術などで相手を信用させる。架空の身分を示す際のパスポートや登記関連の書類などは精巧に作られており、公証役場でも見破れないケースがある。
今回も下のような登場人物が出てくるのですが、
今回の事件に当てはめると
・所有者になりすます偽の所有者
羽毛田正美容疑者
・仲介役
不動産会社の実質経営者生田剛容疑者
・物件の仕入役(首謀者)
カミンスカス操容疑者
・パスポートや印鑑証明の偽造をする人達
のような感じです。
今回だと他の役回りの人も含めて合計で8人ほどいます。
(出典:毎日新聞の記事)
今回の事件では、真の所有者から内容証明でその人は真の所有者ではないと通知があったのに、パスポートや印鑑証明が精巧に偽造されていたこともあり騙されたとされていますが、当時積水ハウスの社長だった和田氏がゴリ押ししたこともあり、本来であれば防げたと思われる案件でしたが、地面師の策略にまんまと嵌められたわけです。
事件の責任を取らされて、今年一月、会長辞任に追い込まれてますが当然と言えば当然ですね。
しかし、大の大人、それも不動産のプロフェッショナル集団がいとも簡単に詐欺師には騙されてしまうのです。(素人なんて本当に騙すの簡単なんですよ。かぼちゃやスルガやTATERUの事件もそうですが、しょうもない不動産会社の営業マンなんて所詮詐欺師みたいなもんです)
私もどうせ犯罪やるならこんなスケールの犯罪をやりたいなと思いますが、そんな根性があればこんな匿名でブログなんかやってませんわな。
地面師による事件には他にはどんな事件があるの?
今回の積水ハウス55億円巨額詐欺事件(63億?と書いてある記事もあります)は過去最高と言われていますが他にはどんながあったのでしょうか。
元々は、戦後復興期に地面師たちは活躍したと言われていますが、新しいところでは、昨年2017年11月にはアパグループが同社の関連会社「アパ」との土地取引に関連して書類を偽造したとして地面師グループが逮捕。
その地面師たちは過去にもこれだけのことをやってました。
(出典:産経新聞の記事)
渋谷区の高級住宅街の土地。地主の高齢男性になりすました男らが、およそ6億円で勝手に売却といった事件もありました。
ここ3年間で急増しているようで、ほとんど手入れされていない土地がターゲットにされているようです。
これだけ騙されているのですから見破るのは中々難しいとは思いますが、あまり無名な会社のおいしい話には注意が必要です。
まあ、我々のようなお金のないう小市民にはこういった地面師たちは無縁ですのでそこまで心配する必要はないかもしれませんが、資産家の方々はくれぐれもご注意いただければと思います。
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