サブリースを悪用した新築ワンルームの売却価格吊り上げの手口

不動産投資

どうも不動産職人です。

新築ワンルーム投資については、以前より止めた方が良い話はしておりますが、今回売却相談があった売主さんが購入させられたのはかなり強烈。

20㎡のワンルームでなんば駅から徒歩6分、通常1850万くらいで売り出されている物件をその販売業者はなんと2800万で売主さんに売却。

これはかなり悪質やなということでチョット記事にしておきます。

サブリースを悪用して物件価格を吊り上げる手口とは

新築ワンルーム業者には、分譲会社が経営する販売会社で売るルートと別の販売会社に委託するルートがある。

どちらから買ってもまず儲からないということは間違いないが、直販ではなく、委託された販売会社が無茶な価格で販売していることが多いです。

今回はその中でも特にひどいケースをご紹介します。

販売業者の報酬

この分譲会社が販売会社に委託するケースでは、2000万のマンションを販売会社が売却した場合、分譲会社から販売会社に多額の報酬が支払われます。

細かい配分はわからないのですが、下記の投資家JACKさんのブログでは、1件500万~700万の報酬が支払われるとか。

新築ワンルームマンション投資は業者やブローカーだけを儲けさせて投資家は損をする

中には、分譲会社の販売会社から独立して販売会社をしているケースもあり、売却実績が高い販売会社だと安く仕入れさせてくれ、一旦販売会社が購入し転売するケースもあるようです。

この場合は、販売会社が高く売れば売るほど儲けることが出来る訳ですね。

管理会社を使ったサブリースで価格を吊り上げる手口

こういった販売会社は、自社で管理会社もしてます。

単純に売った物件を管理してストックを増やすという考え方もあるとは思うのですが、多くはこの管理会社を使ってサブリースを行っています。

サブリース自体は悪いものではなく、安定した収入が入るという点では買主の見方と言えます。

しかし、このサブリースを悪用すれば売却価格を吊り上げることができます。

収益物件は基本的には利回りを元に価格を設定します。

大阪の新築ワンルームだと立地が良ければ表面利回り4.5%くらいで販売されています。

家賃7万だとすると、84万÷4.5%=1866万くらいになります。

通常サブリースだと家賃7万円の物件だと10%くらいでサブリースしますので、手取りは6.3万くらいになります。

ここから管理費・修繕積立金は別途10000円くらい請求されて5.3万。
(このほかにも固定資産税・都市計画税も必要)

仮に、フルローンで1866万借り入れし、年利1.95%、融資期間35年でローンを組んだ場合、毎月の返済は6.13万なので約8千円支払い。

営業マンが言うように、1万円ほどの負担で物件のオーナーになれます。

ただし、これは新築プレミア価格なので、購入した時点で中古物件価格となり、市場の利回りは5.5%~6.0%となり、1400万~1527万となりますが(笑)

詳細は、こちらの記事をご参照ください。

新築ワンルームマンションを買うのは危険!購入後運用に失敗する相談者が後を絶ちません。

では、販売会社はサブリースをどのように悪用しているかというと、

通常は管理会社はサブリースをするということは空室リスクを負う訳ですから、相場賃料よりも設定賃料は当然安くしないと割にあいません。

しかし、今回のケースでは、家賃7万円の物件を10.5万円でサブリースする契約で物件価格を2800万まで吊り上げておりました。

仮に入居していても毎月3.5万の赤字で年間45万の赤字ですが、元々利益が500万程度あるところに、1000万高く売っているわけですから10年くらいサブリースを続けても屁でもありません。

買い主の方はどうでしょう。

仮に、フルローンで2800万借り入れし、年利1.95%、融資期間35年でローンを組んだ場合、毎月の返済は9.2万なので10.5万貰って一万円の管理費・修繕積立金でほぼトントン。

一見損してないようですが、サブリース問題と言われる、家賃の減額や解約された場合はとんでもないことになります。

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サブリース問題の家賃減額・解約されたら終わり

元々1866万の価値しかない物件をサブリース賃料を吊り上げることで2800万で買わされてる訳です。

まあ、サブリース契約が終われば当然負担は増え、とんでもない負債を抱えることになります。

サブリースを解約したいと売主から相談

売主は管理会社が信用できないのでサブリースを解約したいと言われましたが、聞いてみると今のところ同条件で2年更新してもらっているとのこと。

私は即答でそのままサブリースをし続けるしか生きる道はありませんと言いました。

だって、もしサブリースを解約したら家賃7万円で管理費・修繕費を引くと手取り6万。さらに賃貸管理を任せる5%かかるとして5.7万くらい。

返済は、9.2万あるわけですから、3.5万の赤字。これに退去でリフォームや広告費、家賃が下がるともうどうしようもありません。

なので、売主さんはサブリースの家賃減額や解約がないことを祈って持ち続けるしかないのです。

だって、売却するにしても1500万前後でしか売れないんですから。

安易な収益物件の購入はやめてください

不動産投資はある程度勉強すれば、物件が買えないという話もありますが、極端に失敗が少なくなる投資です。

しかし、何も知らずにやると人生を狂わしかねない損害を受ける可能性があります。

何度もいいますが、新築ワンルームは分譲会社や販売会社を儲けさせるだけで、絶対に儲かりません。

今回はかなり悪質な例ですが、彼らはアンケートのフリをして近づいて来たり、うっかりセミナーに行ってしまうとそりゃもう強烈な営業を受けてその営業力の前に沈没してしまいます。

ということで、まずは本を最低でも10冊ほど読んでください。

不動産投資ってこんな感じというのを掴んでから始めても遅いということはありませんので。

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