どうも不動産職人です。
賃貸仲介で働いていると、分譲マンションや戸建賃貸などでリロケーション会社が取り扱っている物件をご紹介するケースがあります。
賃貸物件では、2年更新の普通賃貸借契約となりますが、リロケーション物件は定期借家契約になります。
では、なぜリロケーション物件は定期借家契約なんでしょう。
それは、リロケーション物件の所有者は、転勤などで引越ししないといけなくなくなり、将来的にはその家に帰ってきて住みたいと考えている所有者が多いからです。
普通の賃貸物件の所有者は出来るだけ長く住んでほしいと考えますが、リロケーション物件ではそうではないということです。
今回はリロケーション物件についてお話いたします。
リロケーションって何?
リロケーションという言葉はあまり聞きなれない言葉ですが、賃貸の新しい形として近年取り入れられ、リロケーション物件も増えています。
では、リロケーションとはどういったものなのでしょうか。
定期借家で契約する
リロケーションは、英語で書くと「relocation」で「移転・配置転換」という意味になります。
移転・配置転換するのは所有者さんとなるわけですが、その間の留守を管理するサービスのことをリロケーションと言っています。
転勤しても通常の賃貸管理を任せるケースだと、特に所有者が返ってくることは想定しておらず、長く住んでくれればそれで良いわけですから2年更新の賃貸借契約を結びます。
しかし、リロケーションのサービスを受けたい所有者は、将来的にはその家に帰ってくることを想定している為、ある時期できちんと契約が終わる定期借家契約を結びます。
そうすることで、所有者がそのエリアに帰ってくることになった時、長くても定期借家契約の期間他の場所で住めばいいわけです。
これが、通常の賃貸との大きな違いです。
どんなサービスがあるの?
基本的には、所有者に変わって管理会社として賃貸人とのやり取りを代行してくれます。
管理業務には
・入居者の募集に当たっては、広告、入居審査、入居差の対応
・賃貸管理では、家賃の集金代行やクレーム対応
・退去時は、退去の立ちあいや原状回復リフォームの手配
などがありますが、通常の賃貸管理とリロケーション会社の管理とやってることはほぼ同じ内容です。
リロケーション会社の場合、会社によってはサブリース契約してくれたり、明渡保証制度がある場合もありますが、リロケーションサービスの管理手数料の相場は、賃料の5%~10%、サブリース契約では想定賃料の85%~90%の家賃保証額となります。
サブリースであれば原状回復費用もリロケーション会社が支払ってくれるケースこともありますが、その辺りは契約時の話し合いになります。
リロケーションのメリット・デメリット
通常の賃貸管理と同じ内容の業務をしてくれるのであれば、いつでも帰ってこれるリロケーションにしておいた方が良い!と思う人も多いかもしれません。
しかし、リロケーションにもメリットとデメリットがあります。
リロケーションのメリット
・リロケーションで賃貸経営することで家賃収入を得られる
転勤中の空き家を貸すことで、家賃収入を得ることが出来、ローンの返済に充てることが出来る。
・賃貸することで防犯対策
空き家だと空き巣被害など防犯面が心配になりますが、人に住んでもらうことで防犯対策になります。
・リロケーション会社が定期巡回を行ってくれる
リロケーション会社に管理を任せているので、定期巡回など部屋の状況確認をしてくれる。
リロケーションのデメリット
・定期借家とは言え、急な明渡しは無理
定期借家契約でも通常は契約満了しないと明渡しは出来ません。契約の内容によっては、貸主より要請があれば3か月以内に明け渡すといった内容になっている場合もあります。基本的にはそれより短い期間では明渡しは、難しいので明渡しまでの期間はホテルや仮住まいが必要になる場合もあります。
・定期借家は相場よりも賃料より安くなるケースが多い
定期借家契約となると入居者もリスクがあるので少し安めの家賃設定をしなければならず、物件によっては10%~20%程度相場よりも賃料は低くなります。
・室内状況が悪化する恐れも
入居者の使い方次第では、自分が使っているよりも劣化が早まることもあります。やはり、自宅として住むのと賃貸では、住む人もちょっと雑になることが多いですね。
・管理手数料が必要
自分で賃貸管理をすれば賃料は全部自分のものですが、リロケーションを任せると5%~10%の手数料を取られます。
転勤族にはリロケーションは有効な手段
急な転勤で引越をしないといけない場合は、売却して新たな家を買うのか、賃貸するのかといった選択をしないといけません。
せっかくローンを払ってきたマイホームなので、皆さん手放すよりは賃貸にしたいと思う人のほうが多いと思います。
特に転勤の多い人は通常の賃貸管理よりもリロケーション会社に任せておく方がメリットは大きいでしょう。
通常の賃貸借契約では、帰ってくる時の心配をしないといけませんが、リロケーションなら定期借家契約なのである程度の期間我慢すれば良いので非常に便利です。
デメリットもありますが、空き家を遊ばせておくのはもったいないし、ローンの支払は続けないとなると、リロケーションで賃貸というのもひとつの方法だと思います。
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