どうも不動産職人です。
不動産屋をやっていると色々な人から相談を受けます。
きちんとした話から胡散臭い話しまで色々と…。最近では、積水ハウスから63億をだまし取った地面師の話は有名ですよね。
あそこまで大きな話でなくても、世間には本当にたくさんの詐欺まがいの話があります。
私もこの間神戸の六甲の土地を査定してほしいという話がありました。その依頼者は田中という男。土地は40坪あるとのこと。その周辺の土地は査定では150万/坪程度でしたが、200万/坪くらいで買ってくれる人いないか、出来ればレインズに出さず水面下でと。それが本当なら8000万の土地を預かれるという中々おいしい話。
しかし、査定してほしいという割にはその土地の場所は教えてくれない。会ってからのお楽しみ。
都合の良い日が休日ということでしたが、まあ、面白そうなので行ってみましたよ。
それは古アパート付の土地だった
昼間妻の用事に付き合い、一度家に戻ってから現場へ出動。待ち合わせ場所は阪急六甲駅。(家から40分程度かかるのに私ももの好き)
一応、話が本当だったら面白い案件になりそうだったので、真面目に10分前に到着。(一応営業マンなんでね。)
しかし、待っていたが中々来ない。仕方なく電話をするとチョット遅れるとのこと。
いよいよ田中さんとご対面するときが来た。
田中さんは、ジーンズ姿の普通のおじさんでした。
「どうも、田中です」
名刺を渡すと「今日、名刺持ってこなかったので次の機会に渡します」
(ホンマにくれるんかと心の中で(笑))
田中さんの話では、親戚にこの土地を売ってほしいと言われているらしい。
(この時点でもうほとんどアウト臭しかしない…)
そして、いよいよ現場へ。 阪急六甲駅から徒歩2分ほど。南向きの整形地で4戸のアパートが上に建っている。今は親戚が1人だけ住んでいるらしい。
この土地なら確かに多少高くでも買う人がいるかもしれない…
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謄本あげてからきちんと査定しますと告げると
場所がわかったので、これで謄本もあげて所有者を確認して査定できる。
この土地を預からせてもらえるなら是非やってみたい。
田中さんも私の営業マン心を揺さぶるように「三〇のリハウスさんにも、査定をお願いしてるんで不動産職人さんも急いで査定してよ、早いほうに決めちゃうよ」などと攻めてくる。(まあ、ここで焦って話を進めるような甘ちゃんではありませんが…)
そこで田中さんに私が
「じゃ、休み明けに謄本あげてきちんと査定しますね」と言った後の田中さんの言葉。
「謄本はあげなくても良いから査定だけして」
私は思わず絶句。
「え、謄本あげないと広さもわからないし、きちんとした査定できへんし、お客さんに紹介も無理ですよ…」
それまで饒舌だった田中さん。「じゃ、又査定出来たら連絡してください」と足早に消えていった。
これはもう地面師確定か!(笑)
その後田中さんから連絡がないのは言うまでもありません。
実際に私の会社だと他人物売買やってしまうと大変なことになるので、媒介契約を結ぶときに本人に会うか、印鑑証明書付の委任状をもらうかするので、この程度ではまず前に進むことはないんですけどねえ。
こんな話に騙される人って本当にいるんでしょうか。でも、騙されている人いるんですからもっと巧妙な話があるんでしょうね。レベルの高い地面師に会ってみたいものです。
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